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2007年4月27日 (金)

ミドルリーダーを育てる

今回取り上げるのは「ミドルリーダーを育てる」です。出版社は教育開発研究所
ビジネス書の世界では、リーダー論、マネジメント論は、いまだにかまびすしいですが、いよいよ教育界も、こういう書籍が出たか、という印象があります。
いわゆる2007年問題は、学校の世界にも例外なく訪れていて、首都圏と近畿圏を中心に教師の大量退職時代を迎えているそうです。加えて、昨今の学校に対するマスコミの論調は、すべて先生が悪いといわんばかり。こうした、いわば内憂外患の状況で、学校のリーダーはいかにあるべきか、この本はその方向を、具体的な事例を元に指し示しています。
このように書くと、文字ばかりの難しい本のように感じますが、原則見開き2ページで一つの話題が終わるように編集されているので、まとまった読書の時間が取れない先生にとって、読みやすい工夫がされています。

私も企業の管理職として参考になったのは、第2部「我が校のミドルリーダー育成」の中にある、Q&Aでした。Q&Aというのは、Aを言いたいがために、むりやりQを作っている、というケースもよくありますが、ここでは、本当にありがちなQが設定されています。

  • 40歳。教務主任のA教諭。熱血漢で自分にも他人にも厳しいタイプ。力もあり子どもにも慕われているが、歯に衣着せぬ物言いのせいか、職員室では浮いている。校長としてどうかかわるか。
  • 42歳。学年主任のH教諭。若くて元気が良く初めての学年主任である。新しい行事や、企画を次々と持ち込み、同学年のベテラン教諭2名から疎まれている。どのように対応するか。
  • 35歳。J教諭。いつも他人に頼っていて主体的に判断しようとしない。職員会議でも発言せず、若い教師に圧倒されている。本人も責任ある仕事から逃れている印象。管理職としてどう指導するか。

これに対して、わかりやすいAが設定されているのはもちろんですが、Aにキーワードが設定されています。ですから、読者はあらかじめ回答を予想して読み進めることができるわけで、印象に残ります。上記のQに対するキーワードは次の通りです。

  • 相手の状況を考えて
  • やらせて育てる
  • 成功体験を通して自信を持たせる

この本を書かれた校長先生は、きっといつもこのような形で指導をされているのだろうなと想像しました。つまり、まずキーワードを示して、聞く側に見通しを持たせてから具体的に説明していく、ということです。最後まで聞かないと結論のわからない話は、聞く方も退屈ですからね。
仕事の上で、たいへん参考になった一冊でした。

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