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2007年7月19日 (木)

ジャパン・プレゼンテーション

プレゼンテーションと聞くと、みなさんはどんな意味を想像するでしょうか。手元にある辞書で調べてみましたところ・・・

  • 新明解国語辞典(三省堂)1989年版→見出し語無し
  • 大辞林(三省堂)1992年版→[提示の意]広告代理店が、(中略)顧客に対して広告案を提示すること
  • 明鏡国語辞典(大修館書店)2003年→(1)上記と同意(2)集会などで自分の意見や考えを発表すること。

となっています。つまり、プレゼンテーション=意見の発表という意味は、日本語においては、まだ数年の歴史しかないということになります。(どうりで難しいわけだ)
というわけで、本日は、そのプレゼンテーションの元祖、広告代理店で活躍されてきた方が、日本をプレゼンした際のことを書いた本を紹介します。

「ジャパン・プレゼンテーション-世界に伝わる広告表現スキル」杉山恒太郎著角川Oneテーマ21

著者の杉山さんは、日本で有名な広告クリエイターの一人です。人物を知らなくても次の広告ならご存じでしょう。

  • ぴっかぴっかの、一年生(小学館学習雑誌)
  • ランボー(サントリーローヤル)
  • 人間の70%は水である(公共広告機構)
  • Hungry?(日清カップヌードル)

バブル時代、日本の広告業界は全盛期。杉山さんは、カンヌ国際広告祭に審査員として選ばれます。しかし日本の広告に自信と誇りを持って参加したその大会で、日本人の作品に容赦ないブーイングが浴びせられるのを目にします。そして、追い打ちをかけるように英国人ジャーナリストから「日本人はいつまでもスクールボーイじゃないでしょ」と辛らつな言葉・・・

全盛期と思われた日本の広告表現は、まったく世界に通用しなかったのです。そこで杉山さんは欧米の表現手法を研究し、いくつかのポイントを見いだします。

  • 欧米の諺ではSeek fast to understand,then to be understoodと言われる。つまり、まず始めに相手を理解し、それによって理解されるのだということ
  • 長年日本語を話す人間としかコミュニケーションしなかったため、言葉で大体説明できる、という考えが日本社会に根強いこと
  • 討論や議論経験の絶対的不足から、対立軸を明確にした物語を作る力が、日本人には決定的に弱いこと

確かに私たちは、相手を理解する前に「なぜ理解してもらえないのか」と考えがちですし、言葉で説明しがちです。プレゼンソフトは使っていても、文字が多くて画面が読めない、なんてこともよくあります。

詳しいことはぜひ本書を読んでみてください。上記3つのポイントは、私なりにまとめたものですので、もっと違った読み方もできると思います。
映像で伝える(伝わる)プレゼンテーション。杉山さんが作った、「Hungry?」などの広告は、きっと海外でも理解されたことでしょう。理想のプレゼンとは、こうしたものではないかと私は思います。

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