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2007年8月 6日 (月)

14歳からの哲学―考えるための教科書

気がつくと、もう8月。子どもたちは夏休みまっただ中の一方、こちらは毎日汗だくで背広を着ております。こう暑いと思考力も低下してきますが、一方でまとまった休みが取れる時期。考えることをしっかり教えてくれる本を紹介します。

「14歳からの哲学―考えるための教科書池田晶子著トランスビュー

考えることについて考える学問のことを哲学といいますが、この哲学についてポジティブな印象を持っている方は、たぶん少ないのではないでしょうか。

この本は、中学生が考えることについて真正面から考えられるように工夫された本です。全部で3つの章と30の節で書かれていて、1つの節は7ページと短いのですが、書き出しがいつも印象的で引き込まれます。

考える[1]

君は今中学生だ。どうだろう、生きているということは素晴らしいと思っているだろうか。

2 考える[2]

「生きているということは素晴らしい」派の人たちと「生きているということはつまならい」派の人たちとが、互いに分かれて議論したと仮定してみよう。

6 自分とは誰か

君は、自分は自分であると思っている。自分が自分であることは当たり前だと思っている。では、その自分って何だろう。

17 仕事と生活

君のお父さんは、仕事をするのが楽しそうだろうか。あるいは、お母さんはどうだろう。

ずいぶん長い引用になってしまいましたが、いかがでしょうか。本当によく考えられた章立てとその書き出しです。その上、「考える」の[1]と[2]の書き出しを続けて読んでいただければ分かるとおり、各節の中身はゆるやかにつながっています。
まず始めに「思う」と「考える」の違いを説明して、基本的な考え方を理解したあと、自分→家族→社会→友情→恋愛→品格→宇宙→善悪と、だんだん抽象的な内容を考えてゆくことになります。そして最終の節では、「存在の謎」つまり、自分とは何かについて、再度考えさせます。つまり、本書では最初の問いを解説し、分かったような気にさせたところで、最後にもう一度問いかけ、その問いを自ら考えるような仕組みになっています。このことこそが考えることなのだと。

私も中学生の親なので、ぜひこの本は夏休みにぜひ読ませたいと思っていますが、一般の本のように「読んどけよ」と渡せる本ではありません。特に我が子のレベルでは。本書はちょうど30節あります。8月はちょっと過ぎてしまいましたが、一日一節~二節を親子で読み進めていく、という読み方をしてみようかと思っています。

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