« 人は仕事で磨かれる | トップページ | わかる!書ける!学習指導案 »

2007年8月16日 (木)

ハゲタカ(上)

「ハゲタカ(上)」真山仁著(講談社文庫)

「不良債権」「貸しはがし」「投資ファンド」といった言葉が、ちょっと前の新聞ではずいぶん使われていたように思います。これらの言葉について、自分ではある程度理解しているつもりでしたが、この小説を読んで、実はその意味がよく分かっていなかったのだと言うことが、よく分かりました。経済用語は、語義だけ知っていてもだめなのですね。
ですが、実はこの本を読んだきっかけは、テレビドラマでした。

この本の帯にもあるとおり、NHKで今年2月に土曜ドラマ「ハゲタカ」として放映されていました。私は第2回から偶然見たのですが、主演の大森南朋さんが抜群に良く、共演の柴田恭兵さん、松田龍平さん、栗山千明さんの演技も非常に光っていました。第1回を見逃していたので、なんとか再放送してもらえないか、依頼のメールをNHKに出していたところ、19日(日)から再放送されることになったようです。めでたしめでたし。

それでこれを機会に、原作本を読んでみようとこの本を買いました。経済小説というと、事実関係が重視されて、心理描写や場面展開が厳しい場合が少なくありませんが、この本ではその辺はあまり気になりませんでした。気になったのは設定の違いです。テレビドラマでは、主人公の鷲津政彦が、この物語のキーとなる三葉銀行の元行員だった、という設定なのに対し、小説では、衣料品の仲買人から投資ファンドにスカウトされた、という設定になっています。ドラマを先に見たせいか、テレビの設定の方が、鷲津の苦悩がよく描けていますし、後半の変容の根拠にもなっていてよいなあと感じました。

小説の方は、バブル崩壊後の、いわゆる「失われた10年」の間に、観光旅館、スーパー、ゴルフ場が外資系ファンドに買われていった姿を、大手銀行を軸にしながら描いています。作者の真山さんは、元新聞記者らしく、そこに政府批判の視点を織り込んでいます。

今回は、原作とドラマを比べる良い機会です。恥ずかしながら、 まだ上巻しか読んでいないので、放送日までに買って読まなきゃ、とおもっています。

|

« 人は仕事で磨かれる | トップページ | わかる!書ける!学習指導案 »

小説・文学」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29188/45933197

この記事へのトラックバック一覧です: ハゲタカ(上):

« 人は仕事で磨かれる | トップページ | わかる!書ける!学習指導案 »