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2007年8月 2日 (木)

おもしろくても理科

「おもしろくても理科」清水義範著 え・西原理恵子(講談社文庫)

昨今、子どもたちの理科離れが言われています。本当かなあと思う一方、理科離れとはなんぞや、とも思います。
とはいえ、理科嫌いと言われる人たちは確実に存在するわけで、本書はそうした人たちと、科学者の間の架け橋になるために書かれた(本書あとがきより)本だそうです。

清水さんは、名古屋の独特の文化をおもしろく書いた「蕎麦ときしめん」、入試問題をからかいながら解説した「国語入試問題必勝法」などが有名で、私もその昔、楽しく読みました。こうした説明的な文章が得意なのは、清水さんが愛知教育大学を出て、先生の免許を持っているからでしょうか。

この本が面白いのは、どう易しく書いても難しくなる時間の概念の話や、脳の話など、歯ごたえのある理科の話を、マンガ家でこの本の挿絵画家でもある西原(サイバラ)さんに説明する形を取っているところです。たとえ話や、具体的な数字を上げて難しい科学を易しく説明してくれます。
が、このサイバラさん、清水さんの説明をまるで聞いてない(笑)。それどころか、清水さんが説明した文章の揚げ足を取ったり、ちゃかしたりする始末。たまりかねた清水さんは、サイバラさんのつっこみを予想して、さらに掘り下げた説明をしたり、例を挙げたりします。そして、時に説明を放棄して愚痴めいた話題になることも・・・。
これは当然書籍企画上の演出なわけですが、これが話を難しい方向に振らないための工夫となっています。このつっこみ役がサイバラさん(私は彼女はマンガ家界のアナーキストと思っている)でなかったら、きっとこれほどの臨場感はでなかったことでしょう。
さすがです。

この本を読んで、改めて「人にものを説明するとはなんと難しいことか」と思いました。科学の知識も、説明の仕方も学べる、とてもお得な一冊です。理科だけでなく、「どう転んでも社会科」「いやでも楽しめる算数」など、続編が何冊も続いているというのがよくわかりました。
飲み会の席などで、ウンチクを語りたいとき役に立つ一冊です。

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