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2007年9月13日 (木)

図解コーチングマネジメント

「図解コーチングマネジメント」伊藤守著(ディスカヴァー)

この頃、あちこちのセミナーや研修会で「コーチング」という名称を耳にされた方も多いのではないでしょうか。コーチングは、一昨年あたりに話題のピークを迎え、本もたくさん出版されて、いまでは定着した感のある考え方です。

私もそうしたブームに乗り、この本を一昨年購入して一読したのですが、そのときは正直ぴんときませんでした。

ぴんと来なかった理由は、まずカタカナ語が非常に多く、中身を理解する前に語義理解を先にしなければならないため、負担感が大きかったからです。次に、指示された目標はやる気にならないが、自ら立案してコミットした目標ならやる気を持って臨める、というのは、ワークショップ型研修の考え方と同じだったので、目新しさがなかったからでした。それに第一「コーチング」なんて、ちょっと怪しげですしね。

ところが、人は見かけで判断してはいけないといいますが、本も見かけで判断してはいけません。このところ読んだ本の中で気になったところと、本書の指摘が非常に合致することに気づきました。

  • 「プレジデントファミリー」誌の記事にあった「20分間インタビューゲーム」の効用
  • 情報編集力の藤原さんと佐伯さんの対談にあった、「『勉強しなさい』では子供の自発的動機を奪う」という指摘

これらを読んだとき、「ん?どこかで読んだぞ」と思って、読み直したのが本書です。
Mihiraki ご覧の通り、見開きで一つの話題が完結するように示されているのが編集上の特徴です。ここで紹介しているのは「話を『聞く』ということの意味」について解説しています。相手の話を聞く、といいながら、実は自分が話す中身を考えていたりしませんか、という指摘は耳が痛いです。聞いてもらえなかった相手が負のスパイラルに陥る様子が、左ページの図によく表されています。
また、コミュニケーションをキャッチボールにたとえた項があるのですが、これも非常にわかりやすいたとえだと思いました。

本書を読んで私は、コーチングとは、目標の設定+遂行の姿勢と受け取りました。どこの組織でも目標設定は、なされるはずですが、その遂行の過程はあまり重視されてこなかったように思います。それは、「上司は一般社員より優れている」という誤った組織論が原因と思いますが、成長期においては、そうしたやりかたでもあまり問題が顕在化しなかったのではないかと思います。

人間の能力を引き出し、育てるコーチング。読めば読むほど耳の痛い話が続きますが、それを実感するためにも、「インタビューゲーム→佐伯先生の話」のように、話を聞く経験と心理学的な知識を仕入れておくとよいかもしれません。私がこの3回、この順番で紹介したのは、まさにそういう理由です。

Joushi 最後に、この本で章の終わりごとに挿入されている、シニカルなイラストを紹介します。 これも本書の魅力の一つといえるでしょう。文字が読みにくいかもしれませんので、ご紹介しておきます。
上司「指示しないと動けない部下ばっかりでイヤになる」
 「指示すれば動くとでも言うのか?」

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