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2007年9月27日 (木)

はじめての落語

「はじめての落語」春風亭昇太著(東京糸井重里事務所)

最近落語がブームだそうです。私は、高校の時から興津要さんの「古典落語」という講談社文庫を、何度も読むほど落語が好きでした。大学時代も落語研究会に入りたくて、部室を探し歩いたほどです。(実際は落研の部室の2つ手前にあった、運動部の先輩につかまってしまいましたが)

この本は、そのブームといわれる落語を「聞いてみようかな」と思った人のための本です。劇場での落語を、そのまま文字にして、ちょっとした挿絵が添えられています。お話は3つ、昇太さんの創作落語が2つ、古典落語が1つという配分になっていて、それぞれ、昇太さんによる簡単な解説が付いています。そして、その落語を収録したCDが付録としてついています。

「付録」と書きましたが、私としては、本をお読みになる前に、まずCDをお聞きになることをおすすめします。文字を前にしてしまうと、どうしてもストーリーを追ってしまい、落語家の工夫に気づきません。工夫とはたとえば「枕」と言われる、話の前の小話です。時事ネタを取り上げたり、身内の話だったり、様々ですが、それが本論の前振りとして実によく考えられているのです。

演じているのは、春風亭昇太(しゅんぷうていしょうた)さん。(おおさすがATOK、一発で変換します(笑))。いま、若手で最もうまい落語家の一人といわれています。私は、このCDを携帯音楽プレイヤーに入れてもう何度も聞きましたが、話の筋が分かっていても、いつも同じところで笑ってしまいます。(見た感じ、相当あぶないです。たぶん。)これは落語が、ストーリーを展開するのではなく、話す技術で話(世界)を伝える演芸だからです。本当に目の前に登場人物が現れた感じになるから不思議です。

私はこの本の中では「愛犬チャッピー」という話がもっとも好きです。もし学校で落語を取り扱おうと考える先生がいらっしゃれば、この話を使ってもらいたいと思います。話を聞いてから、チャッピーとその飼い主の絵を子どもたちに描いてもらったら、きっと面白い活動になるのではないかと思いました。

「話す力」とか、「書く力」とかいいますけれど、理屈を言う前に、落語家の教育メソッドを学んでみたらどうかなあと思うのですが、いかがでしょうか。

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