« 本棚の整理 | トップページ | 世界一やさしい問題解決の授業 »

2007年10月18日 (木)

スケッチは3分

以前にも書きましたが、現在は本当に新書がたくさん出版されています。シリーズや出版社にもよりますが、新書で人気があるのは、次の3つのパターンといえるでしょう。

  1. 気鋭の筆者が独自の主張を述べた論説文
  2. 世の中の旬な事象を読み解いた解説文
  3. さまざまなノウハウ・ハウツー提供文

もともと1や3が新書の主流でしたが、出版のコンピュータ化により、2の本が目立つようになってきた、といったところでしょうか。

「スケッチは3分」山田雅夫著(光文社新書)

本日ご紹介する、「スケッチは3分」は、ノウハウ本の極致とでも言いましょうか、スケッチの仕方について、本当に丁寧に説明しています。とはいえ、著者の山田さんは、画家やイラストレータではなく、都市設計家という肩書きです。つまり建築がご専門の方のようです。

この本は、お世話になっている大学の先生に紹介されて購入しました。この先生とは、知的財産教育が表現力に与える影響について研究をしているのですが、そのときにキーとなる作図能力について知っておきたいと思って読んでみました。

一読して感動したのは、芸術性を追求しないスケッチが存在することに気づかせてもらったことです。私が小中学校で受けてきた美術教育は、芸術性のある作品を創らねばならないという雰囲気がありました。それはあたかも「気持ちの伝わる文章を書きましょう」という作文教育にも似たところがあります。国文学の授業よりも、情報をきちんと伝えられるようになろうという梅棹さんの主張と考え合わせると、情報を伝える作図というのが確かにあり、それは情報社会において必要な能力なのだなと思いました。

とはいえ、考えを理解しただけでスケッチはできません。そこで 「身の回りのものは線でなく面で構成されている」という考え方の下、直線、四角、円、楕円の練習方法が説明されています。さらに文房具の使い方まで。
それから技法の説明もいくつかされていますが、私が一番驚いたのは、スケッチの線に筆順があるということです。目に入ったところ、特徴的なところから描き出すのではなく、一番手前の面から描いてゆくのが原則だそうです。なるほど、バランスが取りやすいです。

こういう理屈っぽい作画指導が肌に合わない方もいるかと存じますが、私にはとても合っていました。作成された図や絵を見るのに、とてもよい視点を与えてもらったと思います。

この本で得た知識を生かして、まだ、ちゃんと描いてはいませんが、これまでより少しはましな絵が描けそうです。

|

« 本棚の整理 | トップページ | 世界一やさしい問題解決の授業 »

教養書」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29188/45933218

この記事へのトラックバック一覧です: スケッチは3分:

« 本棚の整理 | トップページ | 世界一やさしい問題解決の授業 »