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2007年10月29日 (月)

絵本をよんでみる

「絵本をよんでみる」五味太郎+小野明著(リブロポート)

先日久々に絵本を読んで、約20年前に買ったこの本を読み直したくなり、手に取りました。現在このリブロポートという会社はなくなり、本書は「平凡社ライブラリー」という会社から販売されています。
古い本ではありますが、内容は全く古くありません。絵本を読むこと、つまり絵と文を同時に読み味わうということのおもしろさを伝えてくれる本です。happy01

五味太郎さんといえば、非常に多くの絵本を出しておられますし、グラフィックデザイナーとしても活躍されていますし、国語の教科書にもたくさん登場するので、多くの方がご存じのことでしょう。共著者である小野さんは、本職は編集者&装丁家ですが、この本では五味さんのお話の聞き手であり、引き出し手です。時に五味さんよりも熱くなり、持論を展開するところが面白いです。
この現役バリバリの絵本作家と編集者が、世界の有名な絵本についてコメントしているのですから、絵本好きならたまらない一冊です。

冒頭紹介しているのは、多くの人が知っている「うさこちゃんとうみ」。ディック・ブルーナの本です。名前をご存じなくても、その絵を見たことのない人はいないでしょう。この作品は、一般にシンプルで温かい絵本、と言われていますが、五味さんの見立てによれば「奥深くテクニック満載の作品」となります。たとえば、話の中で何度も出てくるお父さんが、絵ではまったく登場しない(確かに!)のは、高度なテクニックだと言います。それから、石井桃子さんの翻訳の秀逸さと問題点をびしっと書いていたりして。

その後、12冊の絵本について語りますが、私が特に印象的だったのは、センダックの「かいじゅうたちのいるところ」と、ローベルの「ふたりはともだち」、長新太さんの「キャベツくん」の読み取りです。
「ははあ、『かいじゅう』の正体をそう読むか。なるほど!」
「かえるくんとがまくんの友情をそうとらえるか!大人の読みだなあsweat01
「長さんの絵本が幼児に大人気なのは、作者兼読者だからなのか!!」

いやはや、プロの読み手というのは、すごいです。この本を読むと、絵本好きの人は絵本のセミプロに、絵本ビギナーの人は絵本好きに、必ずやなれることでしょう。

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