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2008年3月27日 (木)

御社の営業がダメな理由

「御社の営業がダメな理由」藤本篤志著(新潮新書)

最近ビジネス書で「御社の」というタイトルの書籍を良く見かけますが、この本が元祖でしょう。私はこの本を1年以上前に読んだのですが、先日ご紹介したモチベーション・リーダーシップを読んでから、もう一度読み直してみようと思いました。
すると予想通り、以前読んだときには見えてこなかったものが見えてきました。気になる本は、期間をおいて読み直すと確かに良いですね。

本書のポイントは、下記の方程式で示されます。

  1. 営業結果=営業量×営業能力
  2. 営業量=営業時間-(意識的怠慢時間+結果的怠慢時間)
  3. 営業能力=営業知識量+営業センス力+グランドデザイン力

つまり、これまで多くの組織で重要と考えられてき「営業センス」は営業結果向上のためには無関係であるというのです。成果を上げるためには、まず「営業担当者を優秀な社員に育成すればよい」という考えを捨て去るべきだといいます。世の中に、「営業セミナー」と称する会合が星の数ほど開催されているけれども、逆に言えば効果がないからこそ、多種多様なセミナーがあるのだというのです。
さらにもう一つ信じられてきた、「優秀な営業担当者を採用すればよい」という幻想も、合理的でない、と切り捨てます。つまり、優秀な社員というのは確かに存在するけれども、そういう方を採用できる確率は非常に低いですし、万一採用できて、一時的に成績が向上したとしても、その方が退職あるいは異動してしまったら、成績がたちまち下がるわけで、結果的に組織に何の寄与もしないというのです。
だから営業結果を向上させるためには、現有勢力をいかに使いこなすか、ということに精力を傾けよ、というのです。

約1年前に本書を読んだとき、ある面賛成できたものの、「社員は育成できない」という、割り切った考え方にどうも首肯しにくい部分を感じておりました。なんだか社員を部品と考えているように感じますし、成長しないのならすり減るだけ、という印象もありますし、怠惰な時間を完全にそぎ落として、業務への意欲は継続できるのかなあとも思いました。
しかし、モチベーション・リーダーシップの本を読んで、考えが変わりました。業務知識を伸ばそうという意欲や、無駄な時間を削ろうという意欲を喚起できれば、上記の方程式の値は限りなく大きくなり、成果が上がります。

もちろん本書には、そんなことは書いてありませんが、ビジネス書というのは、いろいろと組み合わせて読んでみると、一見参考にならないと思ったことがためになったり、小さくとらえていた意味が、実は大きな意味があることだったと気づいたりすることがあるのだなあと思います。著者の方も、考えの全てを網羅して書いているわけではありませんから、そうやって補いながら読むのがよいのかもしれません。過去に読んだ本を読み直してみるというのも、案外よいことだとも思いました。

こうした、食べ合わせならぬ「読み合わせ」をすることで、また違った読書の楽しみがあるのだと実感しました。本書を読んで、もっともためになったのは、この部分かもしれません。

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