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2008年3月31日 (月)

東京ルール

「東京ルール快適なシティライフを送るための47のルール」都会生活研究プロジェクト著(中経出版)

世の中に、いわゆる「ハウツー本」と言われる書籍は、星の数ほど出版されていますが、この本はちょっと面白いハウツー本です。基本的には東京で暮らすためのノウハウ情報が掲載されているのですが、まじめに伝えているようでもあり、東京という町へのアイロニーと読むこともでき、東京生活をネタとしたエンターテインメントである、と言うこともできます。

はっきりいえば、「どこまで本気なのか分からない」という本なのですが、実際の役に立たないかと言えばそんなことはありません。なんとも変わった、そしてたぶん少しは役に立つ一冊です。

そんなおかしさを象徴しているのが冒頭の「はじめに」です。

東京には東京のルールがある。地方から上京してきた人なら、その暗黙のルールに、一度はとまどったことがあるはずだ。そう、東京のルールはたいてい「暗黙」なのだ。そこかしこに静かに存在するルールを、自分で察知し、推測し、正しく従わねばならない。もし、しらずにルールを犯してしまったら、周囲は背筋が凍るほど冷ややかに、あなたを切り捨てる。「このバカが」「この田舎者め」なんて、心の中でののしっていたとしても、東京人は、だれもそのルールを教えてなんてくれやしない。

どうです、この東京の嫌い方coldsweats01。ただ、埼玉県出身の私でも、こういう気持ちが分からぬでもありません。そういえば、私も大学受験の際、池袋で丸ノ内線への乗り換え方が分からずに、遅刻しました。誰かに聞きたくても、東京の人みんなが「俺に聞くなよ」オーラを出しているように見えた覚えがあります。どうしてなんでしょう。

さて、本書は5編で構成され、47のルールが掲載されています。いくつかご紹介しましょう。

  • 満員電車でドアの近くに立っていたら、たとえ自分の降車駅でなくとも一度出て、降りる人を通さなければならない
  • 特急、急行、快速、特快、こんど、つぎ、そのつぎ。どんな複雑な表現にも対応できなければならない
  • 美容院で「かゆいところはございませんか?」と聞かれたら、どんなにかゆくても「いえ」と迷わず答える
  • 地震があっても、ひるまない
  • 街で芸能人を見かけても、気づかないふりをする
  • 東京タワーは、「全然行かないところ」の代名詞
  • 立食パーティでは、食べ物にほとんど手をつけない

どうです? このブラックさ。電車のマナーなど、多少は役に立ちますが、「こんど・つぎ・そのつぎ」など、関西の「先発・次発」の方が遥かに分かりやすいわけで、東京の交通機関への批判となっています。また、建前や体面を重視する東京の文化に対する強烈な皮肉もたくさんあります。「かゆいところはありませんか」への返答ルールや芸能人を無視するといった東京人のかっこつけ体質が、筆者には我慢できないのでしょう(苦笑)。

東京に住んでいる人は、みずからの東京人度を測る尺度として、これから東京に住もうと思っている人には、東京を笑い飛ばす情報として一読されてはいかがでしょうか。

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