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2008年6月12日 (木)

お手紙ハンドブック

「お手紙ハンドブック」プチグラパブリッシング編(プチグラパブリッシング)

e-mailが一般化してから、本当に手紙を書かなくなりました。たまに書いても、あまりの悪筆にげんなりして、出すのがおっくうになるという悪循環。前職時代は、先輩から「手紙を書くのは社会人の基本」と教わり、よく書いていたのに本当に情けない限りです。

そんな中、本書を書店で見つけ、手紙を書いてみようという気になりました。単なるハウツー本にはないよさがあったからです。

本書は、一見すると「手紙の書き方」本なのですが、よく読むと、手紙の魅力を伝えるための様々な工夫があります。次のような章立てになっています。

  1. 手紙のマナー
  2. 手紙の愉しみ方
  3. 手紙の文例
  4. 手紙のデザイン
  5. 文豪に学ぶ、書き方のヒント

第一章では、手紙の書き方が中心で、第二章は手紙にまつわるエッセイ、第三章は、特に書きにくい断りや、お詫びを中心に手紙文例が掲載されています。第二章のエッセイは、正直?な文章が多かったですが(苦笑)、まあそれはご愛敬。本書の価値は、第四章と第五章でしょう。

第四章には、便せんや一筆箋、カードの紹介や、封筒へのちょっとした工夫が紹介されています。小さいながらもカラー写真で紹介されているので、素材感がよく伝わりますし、見るだけで楽しいページです。
第五章は二つの項目からなり、一つは有名人の手紙とその解説。もう一つは芸術としての手紙の紹介です。サトウハチロウさんの年賀状や、夏目漱石さんの借金謝絶の手紙、北原白秋さんの転居通知など、興味深く読むことができました。文豪はやはり手紙も粋です。
また、手紙をアートとしてとらえたコラムが興味深かったですが、特に「絵封筒をおくろう」がよかったです。封筒に描かれた絵と、貼られた切手と、宛名書きとが渾然一体となって一つの作品となっている「封筒アート」が、これまたカラー写真で紹介されています。どれも美しい秀作である上、撮影が上手なので、その魅力がよく伝わってきます。

このように本書は読む本というよりは、見る本、参照する本といった趣です。このためなんどもページをめくることを想定してか、かなり分厚い紙を使っています。ちょっとめくりにくい感じもありますが、まあそれも含めてこの本の個性といえるでしょう。

近頃万年筆が売れているそうですが、案外「手紙を書いてみたい」と思っている人は、少なくないのかも知れません。私もひさびさに手紙を書いてみたくなりました。

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