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2008年8月14日 (木)

なぜ毎日コンビニで買ってしまうのか?

「なぜ毎日コンビニで買ってしまうのか?」漆原直行著(マイコミ新書)

確かに通勤帰りや、出張の時、何とはなしにコンビニへ立ち寄ってしまいます。「ひょっとしてコンビニ依存症?」などと思っていたものですから、本書を見つけたとき、中身も見ずに買ってしまいました。「毎日コミュニケーション」が出している新書、ということにも興味があったからですが。

しかし実際は、コンビニエンスストアを経営的かつ経済的に解説した本でした。つまりタイトルに偽りあり、だったのですが、意外と楽しめました。

私が学生の時、近所に「セブン-イレブン」がありました。営業時間は、その名の通り朝7時~夜11時閉店で、当時としては画期的に便利でした。さらに、大手メーカー製より味は劣るが値段が安い、オリジナル食品(ポテトチップスや牛乳など)があり、まさに学生にぴったりの店でした。

ところが今は、営業時間はほとんど24時間。味の劣るオリジナル商品などありません。客層も老若男女様々です。つまり、ここ20年くらいの間に、コンビニは大きく変化しているのです。本書では、その変化を具体的に、しかもコンビニ側の視点で書いています。各章のタイトルは次の通りです。

  1. 「日本最強の小売業」コンビニ考現学
  2. なぜ今日も余計な「ついで買い」をしてしまうのか?
  3. 壮大なるマーチャンダイズ実験場
  4. おでん、弁当、から揚げに隠された壮大なプロジェクト
  5. なんで我が県にはセブン-イレブンがないの?
  6. コンビニを支える、小売業最大の物流システム
  7. こんなお客さんはイヤだ!
  8. フランチャイズ契約、高齢化、万引き、防犯…店長・オーナーはつらいよ!?
  9. コンビニの未来はどうなるか

コンビニの今を説明するのに、とてもよくできた章立てだと思います。
私が特に興味を持ったのは、まず第二章の「ついで買い」の説明です。コンビニの店内が、客を左回りに動かそうとしていることは、なんとなくわかっていましたが、それには明確な理由があること、さらに、入口から左に回って、レジに至るまで、客の動きを細かく計算し、商品配列をしていることに素直に驚かされます。

次に興味深かったのは、第七章。店員の視点から見たコンビニについて書いています。著者の漆原さんは、コンビニで働いていた経験もあるため、こうした章立てが可能なのでしょう。レジでの店員の気持ちや、トイレ利用に関わるあれこれなど、面白く読めました。このように解説されてしまうと、コンビニに行く気持ちが薄れるかというと、そうでもありません。作戦にはまっているなあ、と分かっていても、やはり私は、今日もコンビニに行ってしまうのであります。

最近は、学校の職業体験などでお店や会社で働かせてもらうという活動が増えてい ると聞きます。本書のコンビニ分析は、子どもたちの社会への目を開かせる第一歩として参考になるのではないかと思いました。そうした体験学習の前に、みなさんで一読されてはいかがでしょうか。

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