« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »

2008年9月

2008年9月29日 (月)

非正規レジスタンス

「非正規レジスタンス 池袋ウエストゲートパークⅧ」石田衣良著(文藝春秋)

本書は石田さんの代表作「池袋ウエストゲートパーク」シリーズの最新作。これまでは文庫化されるのを待っていたのですが、今回は早めに読んでみることにしました。7月に新刊の広告が出たので、9月上旬に購入したのですが、すでに2刷になっています。相変わらずすごい人気です。

このシリーズは、池袋を舞台に、主人公の真島誠が、トラブルに巻き込まれ、それを解決する、という基本構成になっています。毎度若者たちの今が活写されていて、それが作品の魅力なのですが、今回ばかりは、ちょっと考えてしまいました。今回のテーマは、いわば「格差社会」です。

続きを読む "非正規レジスタンス"

|

2008年9月25日 (木)

新しい道徳

「新しい道徳」藤原和博著(ちくまプリマー新書)

本書の著者の藤原さんは、杉並区立和田中学校校長としてマスコミ等にたびたび登場していました。この記事を書くにあたり、昨年度いっぱいで校長を退任されたことを知りました。教育関係者、特に杉並区の方々は、藤原さんの取り組みをどのように評価されているのでしょう。

私自身、教壇に立ったことも、ましてや学校経営をしたこともありませんが、藤原さんの取り組みは、民間企業の管理職から見ると実に素晴らしいと思います。哲学が一貫していますし、検証を怠らないからです。このブログでも、これまで共著を含め3冊紹介しましたが、3冊とも主張の中心は、情報編集力を身につけようということでした。本書も基本的には同じですが、それが新しい道徳だというのです。「情報編集力が、道徳!?」ということで、読んでみました。

続きを読む "新しい道徳"

| | トラックバック (1)

2008年9月22日 (月)

容疑者Xの献身

「容疑者Xの献身」東野圭吾著(文春文庫)

いやあ、久しぶりにうなりました。ミステリーは、これまでずいぶん読んできましたが、私の中で、本書はベスト1と言っても過言ではありません。読み始めからぐいぐい引き込まれ、寝るのも忘れて一気に読んでしまいました。

この作品が、直木賞受賞作だと言うことは知っていましたが、「そりゃ、賞くらい取るよなあ」と思いました。

続きを読む "容疑者Xの献身"

| | トラックバック (0)

2008年9月18日 (木)

16歳の教科書

「16歳の教科書 なぜ学び、なにを学ぶのか」7人の特別講義&モーニング編集部編著(講談社)

「勉強なんて、意味ない。方程式が解けなくたって生きて行ける」などと思ったことはありませんか。私は学生時代、テストの前は、いつもそう思っていました。しかしその時の私は、学びに対する根源的な疑問を持っていたわけではなく、試験勉強をしないための言い訳を探していただけのように思います。

とはいえ、現代は学ぶ意味を見出しにくい時代です。当時の私と違い、「なぜ学ぶのか」を真剣に考える中高生は少なくないでしょう。本書はこうした疑問に対し、7人の識者がそれぞれの分野から学ぶ意味を語っています。

続きを読む "16歳の教科書"

| | トラックバック (0)

2008年9月15日 (月)

大丈夫、生きていけるよ

「大丈夫、生きていけるよ へこんだ日の般若心経」明川哲也著(PHP研究所)

簡単に読めるけれど難解な本、というのがあります。現代詩なんかが、割合そうですし、数学関係の本でもありますね。文字は読めるのだけれど、その意味が胸に落ちてこないのです。

私にとって、本書もそうでした。難しい漢字にはふりがなが付いていますし、とても分かりやすい言葉で解説されています。それなのに一読後、分かって良かった!とは言えませんでした。

続きを読む "大丈夫、生きていけるよ"

| | トラックバック (0)

2008年9月11日 (木)

行儀よくしろ。

「行儀よくしろ。」清水義範著(ちくま新書)

今から約20年前、私たちの世代は、メディアからは新人類などと呼ばれ、上司からも理解できない生き物という目で見られたものです。なのに、おじさんになった今では「最近の若い社員は」なんて、平気で口にしています。誠に人間とは反省しない生き物です。

本書の冒頭、清水さんは、年々加速しているかに見えるそうした風潮に疑義を示し、独自の教育論を展開しています。

続きを読む "行儀よくしろ。"

| | トラックバック (0)

2008年9月 8日 (月)

プロ野球の一流たち

「プロ野球の一流たち」二宮清純著(講談社現代新書)

新幹線のホームや空港の書店には、芸能界のゴシップ本や、プロ野球やサッカーに関する本がよく置いてあります。スポーツ新聞の延長で、軽く読めるため、人気があるのだろうと思っていました。本書を購入したときは、確かにそれくらいの気持ちでした。
ところが、二宮さんがインタビューしている一流のプロ選手やコーチの話には引き込まれました。仕事上の教訓として、一般性があり、示唆に富んでいるのです。

続きを読む "プロ野球の一流たち"

| | トラックバック (0)

2008年9月 4日 (木)

クライマーズ・ハイ

「クライマーズ・ハイ」横山秀夫著(文春文庫)

小説が売れると映画化され、映画化(ドラマ化)されると文庫が売れる、という図式は、このところ顕著になってきています。実際私も、本書を読もうと思ったのは、映画の評価が高かったからです。映画を見てから読むのでは魅力が半減するかと思い、まず読んでみました。

一読後、映画を見る前に読んで本当に良かったと思いました。本書の魅力の一つ、謎解きを味わえたことはもちろんですが、登場人物のイメージを自分の頭の中でかみしめることができたからです。それほど感動的な作品でした。

続きを読む "クライマーズ・ハイ"

| | トラックバック (0)

2008年9月 1日 (月)

ネットいじめ

「ネットいじめ ウェブ社会と終わりなき「キャラ」戦争」荻上チキ著(PHP新書)

「青少年をネットの有害情報から守れ」という声に押される形で、いわゆる青少年ネット規制法が、今年6月に成立しました。この法律に関しては、成立前に、実効性を疑う声や、「表現の自由を侵害する可能性がある」といった批判がありましたが、ネットの危険性を訴える声の前にかき消されてしまいました。

これに対して、本書の著者荻上チキさんは「そうした規制はネットいじめの解消に何ら役立たない」と主張しています。役立たないどころか、問題の本質を見えにくくしている、と言うのです。

続きを読む "ネットいじめ"

| | トラックバック (0)

« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »