« 経営はロマンだ! | トップページ | お気に入りの書店 »

2009年1月29日 (木)

子どもの体の不思議

大人が知らない 子どもの体の不思議」榊原洋一著(講談社ブルーバックス)

世の中少子化だ、子育て支援だとかまびすしいですが、本当の問題は子育て世代に正確な情報がないから、という面が少なくないと思っています。

そんなわけで、ということでもないのですが、子育て中の方がお読みになるとよい本を紹介します。本書は、いわゆる「育児書」ではありませんが、子どもの体と心のことが、わかりやすく説明されている本です。

生命科学系の本を探していたとき、偶然本書を発見しました。「子どもは大人のミニチュアではない」というサブタイトルに惹かれたのです。「そんなの当たり前」と思われる方が多いかもしれません。けれども子育て中は「新米親」なので、つい大人と同じように考えてしまい、そのギャップに苦しむものです。実際私も、夜泣きや発熱、脱水症状に直面したとき、「なんでうちの子は」と天を仰ぐことがしばしばでした。

本書では、そのサブタイトルを受けて、「では、どうミニチュアでないのか」が3部構成で語られています。
第1部は、子どもの体の特徴とその成長についての解説。著者の榊原さんは大学の先生ですが、小児科医ということもあり、最新の医学を元に、具体的・科学的に解説しています。

  • 第1章 どうして子どもは大人と違うの
    • 子ども時代の意味
    • 子どもが大人のミニチュアではないわけ
    • 脳は生まれたときからフル活動
    • 子どものほうが優れている!?
  • 第2章 大きさの違いだけではない臓器
    • 呼吸循環器系
    • 泌尿器系
    • 免疫系
    • 血液系
    • 骨格系
    • 内分泌系
    • 神経系

この中では、子どもの頭が相対的に大きい理由や、背が低いメリットが説明されています。印象的だったのは、人間が生まれるとまず脳を急速に発達させ、その後体を作っていく、というところです。脳を作っている最中に背が伸びてしまうと、転んだときに大きなダメージを負ってしまうからその時期は、あまり背が伸びない、というのは、非常に合理的に感じられました。

第2部は、子どもの成長や発達についての疑問や、伝承や口コミの信憑性について答える、という形式です。もし本を読むのが苦手なら、この部分を読むだけでもよいでしょう。その一部を紹介します。

  • 赤ちゃんに牛乳を飲ませてはいけないのはなぜですか?
  • 二人目以降の子どもはアトピーになりにくいというのは本当ですか?
  • 生まれたばかりの赤ちゃんは目が見えないのですか?
  • 寝相が悪いのはなぜですか?
  • どうして人見知りをするようになるのですか?
  • 幼児がうれしそうに下ネタを話すのはなぜですか?

これらを含め、全部で31ものQがあります。私が驚いたのは、第二子以降にアトピー少ない、という都市伝説めいたことが事実であることや、生まれたばかりの赤ちゃんでも、ある程度目が見えることが分かってきた、ということです。いずれも私が子育てをしていたときにはまったく無かった情報で、新鮮でした。

これに続く第3部では、主に子どもの心と知能の発達について、やはりQ&A方式で書いてあります。「早期教育に効果はありますか」「テレビばかり見せていると成長の妨げになりますか」などのQへの解説が書いてあります。

本書を読み終えたとき、まず最初に「子育て前に読んでいたら、ずいぶん楽だったろうなあ」と思いました。何事にも予備知識があれば、心に余裕が生まれるからです。本書の知識が直接役に立つシーンは、本当に少ないでしょうけれど、間違いなく安心感にはつながると思います。
お子さんがまもなく生まれる方、あるいは、生まれてから2年以内のお父さん、お母さんに、ぜひお勧めしたい一冊です。

|

« 経営はロマンだ! | トップページ | お気に入りの書店 »

教養書」カテゴリの記事

育児」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29188/45933367

この記事へのトラックバック一覧です: 子どもの体の不思議:

« 経営はロマンだ! | トップページ | お気に入りの書店 »