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2009年3月

2009年3月30日 (月)

老いる準備

「老いる準備 介護することされること」上野千鶴子著(朝日文庫新刊)

まさか私が上野さんの書籍を紹介することになろうとは思いませんでした。フェミニズム運動をリードしてきた上野さんは、なんだか怖そうでしたし、異論を許さない雰囲気があったので、読んでも共感できないだろうなと思っていたからです。

それが少し前に教育テレビの番組で、ある芸術家の方と上野さんが対談しているのを見て、考えが変わりました。冷静で的確な判断をする方だなと思いましたし、語り口も穏やかで、それまで抱いていたイメージと全く違ったのです。そんなわけで本書を書店で見かけたとき、すぐに読んでみようと思いました。

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2009年3月26日 (木)

星新一 一〇〇一話をつくった人

「星新一1001話をつくった人」最相葉月著(新潮社)

星新一さんの作品は、教科書で何度も取り上げられているので、非常に多くの方が一度は読んだことがあるのではないでしょうか。星さんほど多くの人に名前を知られ、しかも作品も読まれている作家は希有な存在です。とはいえ、作品は有名であるものの、星さんの生涯は、あまり知られていません。

ノンフィクションライターの最相さんは、そんな星さんに注目し、その生涯を追いました。本書は、その膨大な取材活動が伺える、渾身の一作です。

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2009年3月23日 (月)

月館の殺人

「月館の殺人 (上)(下)」佐々木倫子漫画・綾辻行人原作(小学館)

日本の漫画は世界で一番発達している、とよく言われます。それは、内容や作画のレベルのことだと思っていたのですが、どうやらターゲットの細分化、という点でも今はすごいことになっているようです。

本書は、そもそも私の好きな漫画家の一人である佐々木さんの作品と言うことで購入しました。けれども読んでみると、単純なミステリ漫画ではなく、「テツ漫画」というジャンルの本だったのです。

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2009年3月19日 (木)

教員改革

「教員改革 「問題教員」と呼ばれる彼らと過ごした三年間」鈴木義昭著(東洋出版)

いきつけの書店で、ある教育書を探していたとき、本書のものすごいタイトルが目に飛び込んできました。巷間よく使われる「教育改革」ではなく「教員改革」。通常「改革」という言葉は、人には使いませんし、ブラインドカーテンと思われるグレーの表紙ですから、つい洗脳をイメージしてしまいました。

しかし当然ながら、内容は極めて真っ当な「教員論」「指導論」でした。しかも教育書にありがちな「べき論」ではなく、教育行政経験者らしく、実現可能な改革の道筋を示しています。

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2009年3月16日 (月)

うめ版 新明解国語辞典

「うめ版 新明解国語辞典」梅佳代 撮影(三省堂)

知らない言葉に出会ったとき、私たちは辞書を引いて調べます。それでたいてい意味は分かるのですが、意味解説の文(語釈)が気になったことはありませんか。他では見かけない、独特な文体です。

この独特の文体に加え、かなり踏み込んだ語釈で有名な新明解国語辞典という辞書があります。本書は、その語釈と、写真家の梅さんが撮影した写真を組み合わせた、ユニークな写真集です。

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2009年3月12日 (木)

博士の愛した数式

Hakase 「博士の愛した数式」小川洋子著(新潮社)

読みたくて買ったのに、結局何年も読んでない本が、本棚に何冊もあります。私の読書は、通勤時間が中心なので、どうしても文庫本や新書を読むのが先になり、それ以外は、後回しになってしまう、というのが原因です。

本書も購入したのは確か3年前。帯に「2006年映画化決定」「第一回本屋大賞受賞」なんて書いてありますsad。「そういえば『本屋大賞』に興味を持って買ったんだっけ」と思い出しながら読んでみました。

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2009年3月 9日 (月)

電脳日本語論

Dennno 「電脳日本語論」篠原一著(作品社)

本書は、ジャストシステム社の日本語入力ソフトATOK(エイトック)の開発、特にATOK監修委員会の設立と取り組みについて書かれた本です。私自身初めて知ることも多く、とても興味深く読めました。

もともと「月刊ASCII」という雑誌に連載されていた、という背景から、ATOKの技術的な部分を期待する方も多いかも知れません。しかし本書は、書名にあるように「日本語論」なのです。

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2009年3月 5日 (木)

君主論

まんがで読破 君主論」マキアヴェッリ作/バラエティ・アートワークス画(イースト・プレス)

近頃は、「あらすじで読む名作全集」とか「まんがで読む古典」など、難しい中身に、漫画で簡単にアクセスできる、という企画の本が数多く出版されています。おそらくそのルーツは、1986年に出版された、石ノ森章太郎さんによる「マンガ日本経済入門」でしょう。その後も続々と類書が発売されました。

本書の企画もその流れと思われます。「まんがで読破」というシリーズで、国内外の文学や評論をずいぶん漫画化しているようです。

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2009年3月 2日 (月)

働く理由

「働く理由 99の名言に学ぶシゴト論」戸田智弘著(ディスカヴァー21)

この直球のタイトルに惹かれて本書を購入しました。近頃はこうした労働の意味を問うような書籍が数多く出版されています。もし、タイムマシンがあって、昭和30年代の社会人に「人はなぜ働くのでしょうか」などと質問したらどうでしょう。おそらくほとんどの人が「生きるために決まってるだろ」と答えると思います。

現代は間違いなく、その頃よりも豊かで便利で生存しやすい世の中ですが、働くのに理由が必要になってしまいました。若い人はもちろん、中年の我々でさえも。これはいったいどういうことなのでしょうか。

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