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2009年6月29日 (月)

ポジティブコミュニケーションカード

中学校学級担任のための ポジティブコミュニケーションカード CD-ROM付」上條晴夫編/池田修・石川晋・築田周一著(民衆社)

書店の教育書コーナーに行くと、「イラスト集・テンプレート集」が数多く並んでいます。最も多いのが、保育士や幼稚園の先生向けで、その次が小学校向けです。中学校・高校向けテンプレート集というのは、これまで見たことがありませんでした。本書は中学校の学級担任向け、と書いてあります。

実際、本書の冒頭には、本書の特徴として、次のようなことが書いてあります。

第1の特徴は、生徒たちの実態を徹底的に「ポジティブ」に捉えようとした点です。いじめ・不登校・校内暴力などたくさんの否定的な現実がありますが、それらの否定的な現実の中にも間違いなく存在する生徒の肯定的側面に着目して、そこを指導の出発点にしようとしています。
第2の特徴は「シミュレーション」的発想です。従来の「現実だけが教育力を生む」という、きまじめ多「ドキュメンタリー」的発想ではなく、遊び心のある、ごっこ遊び的な活動の中に相互の関係を見つめ直すきっかけを発見しようとしています。

一読(一覧)して、これらがお題目でないことがわかりました。確かにコミュニケーションできそうだなあ、と感じます。
Seishun たとえば第1の特徴に該当する例は「中学生 青春度チェック」です。該当する項目に○を付ける単純なワークシートですが、注目すべきはその選択候補の項目です。

  • 長電話を3時間以上したことがある
  • 恋のおまじないをしたことがある
  • 親をなぐってやりたいと思ったことがある
  • 運命の「赤い糸」を信じている

これらは、およそ学校で許される範囲を越えているのではないでしょうか。けれどもここには中学生の本音があると思います。こうした項目も有りなんだ、と思えれば彼らも胸襟を開くのではないかと思いました。

Hosii 第2の特徴に該当する例は「欲しいものと必要なもの」です。これは、基本的権利について考えさせることを意図しています。こうした抽象的な話題はなかなか考えにくいですし、話し合いといっても考えのまとめ方が難しいものです。このワークシートは、「個人の思索→集団での話し合い」の過程がよく考えられていると思いました。教室での話し合い活動は、思考を深めるのに重要である一方、生徒同士のコミュニケーションのためにも重要です。

もう一つ重要なのがイラスト。これが中学生の感覚とずれていたら、どんなに立派な中身でも効果は半減でしょう。本書のイラストは、児童書の挿絵を担当しているプロのイラストレーターが描き下ろしたもので、その点抜かりはありません。しかも再利用できるように、本書付録のCD-ROMに収められています。

私自身もそうでしたが、中学校時代というのはとても多感な時期です。友だちや親との距離感はもちろん、自分自身についてもよく分かっていません。ホームルームの時間や道徳の時間をこんなカードで過ごせたら、救われる生徒が多いのではないかと思いました。

ついでに、会社版もあったらいいなと思いましたconfident

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