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2009年7月10日 (金)

「価値ある出会いが教師を変える」を考える

Kangae 「価値ある出会いが教師を変える」を考える

昨日の記事は、「教師の心得についての情報が、謙虚な視点で描かれている点が素晴らしい」というのが要旨でした。数週間前に書いたこの記事を読み直してみると、それなりに説明になっているような気もしますが、そうでないような気もします。

それはおそらく本書のタイトルに言及しなかったことでしょう。当初このタイトルを目にした時は、正直若い先生には通じないだろうなあと思っていました。「価値ある出会い」なんて言っても、「まだそういう出会いはしていません」と言われるのがオチだと思ったからです。
その上、本書の内容は出会いよりも、教師人生の話がほとんど。確かにいくつかの具体的な出会いが書いてありますし、確かに第3章は「価値ある出会い」というタイトルになってはいます。けれども「価値ある出会いとは」みたいな定義などどこにもありません。第3章が中心というわけでもありません。
これでどうして「価値ある出会いが教師を変える」というタイトルなのでしょう。本書の紹介記事を書いた後、この点がどうにも気になって、そのわけをずっと考えておりました。

それが、先日別の本を読んでいる時、すぱっと分かりました。キーワードは他者視点です。自分の行動や思考を客観的に捉えることを「メタ認知」と言うのだそうですが、佐藤さんはこのメタ認知によって本書を書いているのだろうと思います。

「教師」という職業は、実に多くの人に出会います。教え子の数が数千人という人も珍しくはないでしょう。その子たちとの「出会い」を、数千分の一、と捉えるか「この一人との価値ある出会い」と捉えるかによって、教師人生は大きく変わることでしょう。佐藤さん教師人生におけるすべての出会いを価値あるものと位置づけている、ということなのです。すべての出会いを価値あるものとして認識し直すと、発想が変わるよ、教師として一皮むけるよ、ということなのでしょう。

すばらしいタイトルだと思いました。同時に見習わねばならいのは、謙虚さなどではなく、自己を再認識する視点なのです。こうした捉え直しができて良かったなと思うとともに、読書という行為の良さを再認識しました。他の本を読んでいる時、気になっている本の発想に気づくことがあるのです。これは、読んだ本について自分の考えとともに一冊ずつまとめているからだと思いました。
読書の醍醐味に気づかされた1冊でした。

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