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2009年7月 2日 (木)

僕が2ちゃんねるを捨てた理由

「僕が2ちゃんねるを捨てた理由~ネットビジネス現実論~」ひろゆき(西村博之)著(扶桑社新書)

「ひろゆき氏」と言えば、ネット関連の仕事をする人で知らない人はいないでしょう。世界最大といわれる、インターネット上の掲示板「2ちゃんねる」を立ち上げた人です。その彼が「2ちゃんねる」をマレーシアの会社に譲渡した、というのをニュースで知った時、驚くとともに「なぜ?」と思いました。

本書はそれに対応する書籍名となっているので、てっきりその理由が書いてあると思いました。しかし、本書を読み終えても、その理由は全く分かりませんでした。
いや、正確に言えば理由らしきものは書いてあるのです。実際第1章の最初の項には「僕が2ちゃんねるを手放した理由」とあります。けれどもそこで語られた「理由」は、

  • 事実上「2ちゃんねる」で僕は何もしていなかった
  • 僕には手放してみたらどうなるか、という実験的興味があった

というこの2つです。正直「なんじゃそら」と思いましたdespair。ではなぜブログでご紹介するかといえば、やはりネットの世界のとらえ方や、近い将来の話、ネットとテレビの融合についての話は、十分に読む価値のあるものだと思ったからです。ですから本書は第2章以降がお薦めです(笑)。

私がまずなるほど、と思ったのは、SNSの危険性についてです。小中学生のフィルタリングに関して、ひろゆき氏は、次のように書いています。

2ちゃんねるのように、大多数対大多数のコミュニケーションが行えるサイトもフィルタリングしたほうがいいとは思っていますが、それ以上にSNSの方が危険だと思うのです。なぜなら1対1のコミュニケーションというのは、悪い大人が簡単に子どもを騙せてしまうからです。

確かにSNSにおけるメッセージのやりとりは、メール以上になりすましが容易ですし、そのやりとりは、運営事業者すら把握できません(技術的に、ではなく法律的に)。よくニュースで「出会い系サイトで知り合った」などと報道されていますが、それは正確でないと思います。情報モラル教材を開発するために、私自身、実際に出会い系サイトに登録して1か月体験したことがありますが、それで分かったことは次の通り。

  • 出会い系サイトで出会いなど不可能。すべてが詐欺サイトである
  • 確かに紹介メールは山ほど来る。1か月に1000通を超える場合もあった
  • 連絡するためには、メール送信用の「ポイント」を購入しなければならない
  • しかし「ポイント」にいくら費やしても出会えるはずなどない
  • 出会い系サイトは、出会わせないからビジネスになるのである

ひろゆき氏の「SNSこそ規制すべき」という主張を読んで、ぴんと来ました。SNSが出会いの場(犯罪の場)となっているのです。判断力が十分でない児童生徒の場合、それを使わせないようにするのは当然だと思いました。

それから、日本テレビで「電波少年」などを手がけた土屋敏男さんとの対談も興味深く読むことができました。「ネットとテレビの融合」とは、某IT企業の社長が声高に叫んだことですが、いまだに誰も実現していません。テレビというメディアを熟知し、現在「第2日本テレビ」を仕掛ける土屋氏は、何か確信があってネットの展開をしているのかと思いきや「僕、最近のテレビのこと全然分からないから」と言います。一方のひろゆき氏は、自説の「課金モデルによる映像配信」を土屋氏に投げかけますが、土屋氏はそれに賛同しません。一見かみ合ってないように見える対談ではあるものの、ネットの近未来について示唆に富んだ対談だと思いました。

ネットの将来やビジネスモデルについて、いろいろと示唆をもらった本でした。この分野に興味のある方は、一読なさるとよいかもしれません。

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