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2009年9月 7日 (月)

新型インフルエンザ完全予防ハンドブック

「新型インフルエンザ完全予防ハンドブック」岡田晴恵著(幻冬舎文庫)

春に流行した新型インフルエンザは、「秋に流行復活か」などと言われていましたが、すでに全国的流行の様相を呈しています。マスコミでは「死者発生!」など結果に関する報道は多いものの、その感染の仕組みや脅威の理由、感染防止の方法や罹患後の対処方法など、私たちにとって本当に必要な情報は非常に少ないように思います。
それで新型インフルエンザに関する本を読んで、ちゃんとした知識を身につけようと思いました。

書店へ出かけると、インフルエンザ関連書籍が多いのにびっくり。考えてみれば当たり前なんですけど。迷った末に、本書を選びました。理由は次の3つです。

  • 価格が381円(税別)と安いこと
  • 著者の岡田さんは関連書籍を以前から多数執筆していること
  • 各項目が1~2見開きなので、素速く知識が得られること

結果的に、インフルエンザに関する知識を素速く体系的に得る、という目的は達成できました。もちろん、ほんの「さわり」の知識です。それでも、報道される用語の意味はもちろん、インフルエンザの何が怖いのかという重要な視点が理解できたことはよかったと思いました。本書は、知識編と対策編に分かれています。私が知識編から読み取った内容は、およそ次のような内容です。

  • 今回のインフルエンザは、2種類の豚インフルエンザと鳥インフルエンザと人のインフルエンザの4つのウイルスが混じり合い、人から人へ持続的に感染するようになって発生した。
  • インフルエンザウイルスは、鳥や人の体の中で混じることがあり、これが新型となる場合がある。今回のインフルエンザは弱毒性であるが、これが流行する(流行を繰り返す)ことによって、強毒性インフルエンザ出現のリスクを高めている
  • 今回の流行は「来年になれば収まる」といったものではなく、免疫が行き渡るまで何度でも流行を繰り返す。そのまま季節性のインフルエンザにシフトして行く可能性もある。
  • 弱毒性であっても感染爆発(パンデミック)が怖いのは、医療機関の麻痺はもちろん、労働者の多くが罹患することで、警察・消防・水道など重要な社会インフラが止まってしまうことにある。
  • 人類のほとんどが免疫を持たない以上、新型インフルエンザの流行は避けられない。だが流行を穏やかにすることはできる。そのためには、一人一人が正しい知識を持って適切に対処しなければならない。

本書を読むまで、私はあまりにも無知でした。マスクをする人に「大げさだなあ」と思ったり、「弱毒性なんだから、家で治るのを待てばいんじゃね?」と思ったりしていたくらいです。しかしそれはとんでもない間違いでした。私が予防策を講じないことが、どれだけ世の中の迷惑になることか。同時に、どこかの国の大臣が「水際作戦」と称して、流行国から帰った飛行機を消毒する指示を出したのは、いかにトンチンカンな対策だったのかもよくわかりました。
重要なことは、「新型インフルエンザは、いったん発生したら必ず流行する。だからそれを穏やかにする施策を打つ」ということなのです。政策レベルでも、個人レベルでも。さらに、ポイントは免疫なので、免疫を持たない若年者が集中している保育園・幼稚園・小学校での対策は、今後継続的になされなければならないのです。

本書の対策編では、具体的な行動指針やチェックリスト、マニュアルが掲載されています。強毒性インフルエンザへの対応を基準に書いてありますから、若干オーバーな部分もありますが、知っておくに越したことはないと思います。

薄くてすぐに読める本でしたが、大いに考えさせられた一冊でした。

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