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2009年11月18日 (水)

ビッグイシュー日本版

Big_issue「ビッグイシュー日本版 第129号 特集:さあ日本のリュウに会いに行こう」(ビッグイシュー日本)

「ビッグイシュー(THE BIG ISSUE)」という雑誌をご存じでしょうか。私は、1年ほど前に週刊誌の記事でその存在を知りました。この雑誌、書店でもネットでも販売していません。むろん「無料誌だから」というオチではありませんよsweat01。特定の「場所」に出向いて購入する雑誌なのです。

その「場所」とは都会の路上。都会と行っても東京や大阪だけではありません。札幌・仙台・船橋・横浜・川崎・名古屋・京都・尼崎・川西・西宮・神戸・広島・福岡・鹿児島と、非常に広範囲で売られているようです。「ビッグイシュー」は、これらの街の駅前や繁華街の交差点にいる「販売員」から購入します。

ではなぜ路上なのでしょうか──それは、「販売員」がホームレスだからです。東京の駅前や繁華街の交差点で、雑誌を高く掲げて販売している方を見かけたことはないでしょうか。この雑誌は、ホームレスの方々の自立を支援するために創刊されました。ビッグイシュー日本のサイトには、次のような説明が書いてあります。

ビッグイシューは1991年にロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊されました。ホームレスの人の救済(チャリティ)ではなく、仕事を提供し自立を応援する事業です。
例えば大阪では野宿生活者の約8割が働いており、過半数の人は仕事をして自立したいと思っています。『ビッグイシュー日本版』は働き収入を得る機会を提供します。

不況でホームレスにならざるを得ない人たちが増えていると聞きます。このブログでご紹介した、貧困問題を扱った書籍(子どもの貧困13歳から学ぶ日本の貧困)にある通り、今の社会は、一度ドロップアウトしてしまうと、なかなか戻ることができません。それゆえ、こうした自立支援の取り組みは非常に価値があると思いました。

「チャリティではない」と言い切るように、本書の中身は本格的です。私が購入した129号の特集は恐竜。しっかりした取材に基づいて、読み応えのある記事に仕上がっていました。その他面白かったのが「FROM THE STREET街角と販売者」というコラムです。要するに人生相談なのですが、回答者は販売員。豊富な人生経験を元に読者の相談に答えます。自らも苦労しているせいか、とても思いやりのある回答となっていました。

私も元書籍編集者として、この雑誌は、なかなかやるなと思いました。いくら36ページの薄い冊子とはいえ、月2回刊ですから、続けて行くうちに内容が薄くなりがちです。しかもこの雑誌、バックナンバーの販売も販売員さんたちの重要な収入源ですから、まず特集が魅力的でなければなりません。しかも時事ネタは御法度。こうした制約が多い中でも、これだけの品質で出版できるのですから、たいしたものです。尊敬に値します。

私は新宿南口の交差点付近で購入しました。1冊300円です。販売員から直接購入する、というのは、ちょっと勇気が要りますが、それも良い経験です。最新号は11月16日に発売されています。販売員さんを見かけたら、ぜひお買い求め下さい。

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