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2009年12月18日 (金)

「文系・大卒・30歳以上」がクビになる

「『文系・大卒・30歳以上』がクビになる―大失業時代を生き抜く発想法」深田和範:著(新潮新書)

このところ新書は、まるで雑誌のように毎週毎週新刊が出ています。そしてそのタイトルも、週刊誌のように刺激的なものばかり。本書も、タイトルがかなり刺激的です。これを見た時は、自分のことを指摘されたような気がして、どきっとしました。実際、今まさにクビになりかけていますし(苦笑)。

というわけで、気がつくと、本書を手にしてレジに並んでいました。

本書で述べられていることは、さほど多くはありません。もし一言で言い表すとしたら次のようになるでしょう。

数年以内にホワイトカラー100万人がクビになる。

いわゆる「ホワイトカラー」に就くのは、「文系・大卒」が多く、そのうちの「30歳以上」は、給料が高いからクビにすればコスト削減効果が高いというのです。タイトル通り、なんとも刺激的な内容ですよね。
深田さんは、ホワイトカラーを次のように定義しています。

ものを作る、売るという基本的な営業活動以外の仕事を担当し、事務所内でデスクワークを中心に仕事を進めている従業員

その上で、ホワイトカラーの「増殖」が日本企業の業績回復を遅らせていると断じています。「生産性を極限まで高め、以前よりも遥かに安い値段でものが作れるようになったにもかかわらず利益が出ないのは、ホワイトカラーの人件費が収益を圧迫しているからだ」と言うのです。となれば、派遣切りなどは、リストラの序の口であり、今後まもなくのうちに本丸であるホワイトカラーの首切りが始まる、というわけです。
さらに第4章では「人事部長M氏の見た光景」と題して、企業の首切りのシミュレーションが掲載されています。深田さん自身、コンサルティング会社に勤務されているということで、経営者の考え方や人事部の手続などについては、かなりリアリティがありました。それにしても主人公が、部長M…sweat02

私自身、経済はまったく専門外ですから、この深田さんの指摘が真実かどうかはわかりません。一つだけ言えるのは、経済は複雑系なので、こうした単一原因論は、なかなか難しいのではないかということです。ではなぜ本書をご紹介したのかと申しますと、深田さんの本当の主張は、本書であまり詳しく述べられていないところにあるのではないか、と思ったからです。

ホワイトカラーのみなさん、ちゃんと価値を生み出す仕事ができていますか

これが、深田さんが本当に問いかけたかったことでしょう。

私もそうですが、ホワイトカラーの仕事は、定量的に評価できない仕事がほとんどです。だから自らを律して、常に新しいことにチャレンジして行くこともできるし、無難な仕事でお茶を濁して行くこともできます。仕事をする振りをすることさえできるでしょう。けれども、「そうした甘えや生産性の低さが、今日の業績低迷を招いているのではありませんか」というのが、深田さんが本当に言いたかったことのように思えます。

「その仕事、本当にやる価値がありますか。その目的は?効果は?」こうした自問自答が重要なのです。評価しにくい仕事であればあるほど。働き方について、少なからず考えさせられた一冊でした。

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コメント

『文系・大卒・30歳以上がクビになる』の著者、深田和範です。
小生の本をブログで取り上げてくださり、ありがとうございます。

小生、まさしく、あの本のとおりにリストラされそうになっております。
詳しくは、このブログをみてください。

http://ameblo.jp/kmsh114/

投稿: フカダ | 2010年4月18日 (日) 00時26分

深田さん、コメントありがとうございました。
著者からコメントをちょうだいできて光栄であります。とはいえ、さきほどご紹介のブログを拝見しましたが、なかなか大変ですね。社外と社内の評価の違いというのは、まさに私自身も痛感するところです。
深田さんと私は同世代。なかなか大変な年代ですが、お互いにがんばりましょう。

投稿: むらちゃん | 2010年4月18日 (日) 01時11分

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