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2009年12月30日 (水)

学びとコンピュータハンドブック

「学びとコンピュータハンドブック」佐伯胖:監修/CIEC:編(東京電機大学出版局)

ブックブログを始めて、約2年半。およそ250冊ほどの本をご紹介して参りました。カテゴリとしては、教育書が最も多いものの、情報教育に関する本のご紹介は驚くほど少なく、自社本を除けば、たったの2冊です。改めて数えてみて、自分でも驚きました。

これじゃあまずいなあと思っていた矢先、教育とコンピュータの関係について、簡単にオーバービューできるということで本書を紹介されました。とはいえ、ご覧の通りちょっと高額です。ためらいましたが、「えいや」と注文してしまいました。

届いた本を見て驚きました。ページ数が408ページもある上に、厚い紙を使っているので、とんでもなく厚いのです。けれども、予想外だったのはそこだけでした。教育とコンピュータについての話題が、技術的な話から学問的な話まで、非常に幅広く取り上げられていながらも、1項目が2見開き4ページとコンパクトにまとめられています。内容の詳しいことまではわからなくても、およその中身がわかるようになっているので、詳しくない分野でも読みやすく感じました。本書のタイトルは「ハンドブック」となっていますが、情報教育に関する事典と理解した方が良いかもしれません。
大まかな目次をご紹介しましょう。

  1. 学習観・教育観
  2. コンピュータ、ネットワークの技術的・社会的展開
  3. コンピュータ利用教育
  4. 「情報」教育
  5. 小・中・高での「情報」教育
  6. 大学における「情報」教育環境
  7. 外国語教育・学習におけるコンピュータ利用
  8. 各分野におけるコンピュータ利用
  9. 社会人教育における授業法
  10. 社会とコンピュータ利用教育

ぱっとご覧になって、ちょっと理解しにくいのが、4章と5章の違いでしょう。4章の編者は、「情報化社会の根底を支えるコンピュータとその社会的な影響について、本質的な理解を与える教育をここでは「情報」教育と呼ぶことにする」と定義し、次のような内容で構成しています。

  1. 情報技術の教育
  2. タイピングとマウス操作──情報教育における身体性
  3. プログラミング──情報教育における論理性
  4. 教育用スクリプト言語によるアルゴリズム教育
  5. 図解──情報教育における感性
  6. 指導設計(ID:インタラクショナル・デザイン)と情報システム構築
  7. メディア・リテラシー
  8. セキュリティ
  9. 情報倫理
  10. 教育におけるIT利用と著作権

ご覧の通り、かなり幅広い「情報教育」が取り上げられています。6節の「指導設計と情報システム講座」は、非常に興味深い内容でした。これに対して5章は、学習指導要領との関係や、カリキュラムや教員研修が話題として取り上げられています。

このように、本書は、目次中の章と節のタイトルを一覧すれば、おおむね内容が想像できるようになっています。アマゾンでは目次がすべて読めるようですので、興味のある方はどうぞご覧下さい。目次を見るだけでも結構面白いですよ。

各記事は4ページでしかも参考文献や引用文献の表示もありますから、事実上2ページや3ページの記事があります。紙幅がないこともあり、正直説明不足と思われる記述がないではありませんが、それでも私自身はこの目次が非常に参考になりました。「コンピュータと教育」というテーマだけで、ここまで広げられるのだと感心したくらいです。
さらに8章「各分野におけるコンピュータ利用」や10章「社会とコンピュータ利用教育」あたりは、社会人教育の話題など、本業に役立つような内容が書かれていました。情報教育関係者なら持っていて損のない本だと思います。

さて今年も一年、ご愛読いただきましてありがとうございました。今年はブログの引Thanksっ越しや、アフィリエイトへの参加など、ブックブログもずいぶん変貌を遂げました。「ジャストブログ公式コンテンツ」だったときよりも、思い切ったことを書こうと思っていたのに、結局似たような感じになってしまいました。来年は、少し新しいことに取り組めたら良いなと思います。
ではみなさま、どうかよいお年をお迎えください。

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