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2010年4月26日 (月)

祝!日経パソコン600号

Nikkei_pc_2

日経パソコン4月26日号(日経BP社)

先日自宅に届いた日経パソコンの表紙に、「600号記念特別企画」という文字が、とても控えめに書いてありました。雑誌の発行が長く続くと言うことは、それだけ多くの人に長く価値を認められていることの証拠ですから、通常は「記念特大号」などと、大書したり朱書きしたりするのが普通です。にもかかわらず、この地味な扱い。編集長のお人柄が偲ばれますconfident

さて、今回ご紹介しようと思ったのは、その「600号記念特別企画」が興味深かったからです。題して「パソコン興亡史」。

パソコンを長年使っておられる方なら、このタイトルだけでかなりぴんと来るでしょう。これまでパソコン業界は、多方面で栄枯盛衰を繰り返してきました。それがまとめて一気に読める、なかなかお得な企画です。記事は次の3部構成となっています。

  • 第1部 パソコン編
  • 第2部 CPU編
  • 第3部 ソフトウエア編

この記事は、文章もさることながら、その設定も優れていると思いました。まず、パソコンでは、国内の独自仕様であった、NECの98シリーズが、国際標準に取り込まれて行く様を、鎖国していた幕府が開国を決断する史実になぞらえて描かれています。将軍とおぼしき侍が、家来たちに巻物を提示している挿絵には笑いました。そこには

一、Aドライブは「HDD」、FDDにあらず
一、拡張スロットは「Cバス」、ISAバスにあらず

と書いてあります。古くからのパソコンユーザーなら笑えますよね。この記事は、こちらで挿絵を含め立ち読みできます。興味のある方はぜひご覧下さい。

CPU編には、私も知らなかったことが多く書かれていました。インテルとAMDが当初強力なタッグを組んでCPUを製造していたことや、苦境に陥ったインテルが巻き返したのは、パソコンの主流がデスクトップからノートに移行したから、といったことです。この記事の設定は、ヨーロッパ史?を模した侵略合戦でした。

そして最後はソフトウエア編。こちらは宇宙戦争の設定で描かれています。「ロータス1-2-3」「一太郎」「Netscape」の隆盛と衰退、Microsoft帝国に迫るオープンソースとGoogle、といった内容について、原因と結果がよく整理されて書かれていました。ソフトウエア業界の今後は、パソコンやCPU以上に混沌としていますから、今後の変化を類推する上で、こうした経緯を押さえておくことは重要かもしれません。

編集後記にあたる「編集メモ」によれば、日経パソコンの創刊は1983年10月だそうです。その時の特集は「日本語ワープロソフト、いま使えるのはどれか」だったとのこと。今回の特集は「あなたの知らないWeb検索」です。パソコンが、清書機からネットワーク端末へと変化してきた時代の移り変わりを示す、象徴的な特集と言えるでしょう。
こうした変化を背景に、パソコン雑誌も数多く生まれ、そして消えて行きました。その中で27年も継続されたというのは、まずそのこと自体がすばらしいこと。私も、20年近く読んできた読者として素直に敬意を表したいと思います。

電子情報機器の分野は、10年前はパソコンが主流でした。それが、テレビの進化、iPhoneに象徴される携帯電話の進化、ネットブックやKindleなど新しい端末の登場など、「役者」は、どんどん増えています。まさに筋書きのないドラマが展開されているわけです。10年先に栄華を極めているのは、いったいどの端末、どのソフト、どのサービスなのでしょうか。
願わくば、それをまとめた特集記事を、日経パソコン通巻第1,000号で読みたいと思います。

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