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2010年4月28日 (水)

「分かりやすい文章」の技術

「『分かりやすい文章』の技術」藤沢晃治:著(講談社ブルーバックス)

本書は以前ご紹介した「『分かりやすい表現』の技術」の続編です。(正確にはこの間に「『分かりやすい説明』の技術」という本が発行されています) もうずいぶん前に購入したのに、ちゃんと読まないまま放置していました。目次が本書のポイントになっているので、それを見ただけで読んだつもりになっていたのです。

最近人前でプレゼンテーションについて講演する機会があり、その資料作りの参考資料として、きちんと読んでみることにしました。

書店に行くと、文章の書き方を説明した本は、星の数ほどあります。正直、どれを買えばよいのか分かりません。その中で本書に決めたのは、冒頭の「はじめに」に共感したからです。本書を書いた理由として、次の3点が挙げられていました。

  1. さまざまな文章術の本が持つバラバラな目標(文章作法、説得技術、分かりやすさ、論理的表現など)を「目的を達成する文章」という統一した目標に集約したかった
  2. ブルーバックスらしく、「分かりやすい」とは何かということを基礎にした文章術の本を書きたかった
  3. 高校生が教科書としても理解できる本を世に出したいと思った

確かに、文章術の本の中には、文章の何を良くするのかを明確にせず書かれているものも少なくありませんでした。藤沢さんは、その点を整理して、しかも高校生に分かるように書いたというのです。これは結構勇気の要る宣言です。なぜなら、分かりやすい文章の書き方を分かりやすい文章で書く必要があります。「んだよ、この本自体がわかりにくいじゃねえか」というツッコミを受ける危険性と、常に隣り合わせで文章を書かねばならないのです。

けれどもそうしたリスクを引き受けて書かれたであろう本書は、確かに分かりやすい本でした。わかりやすすぎて、本書の内容を把握する行為は、「読む」というよりは、「見る」と言う方が適切ではないかと感じたくらいです。

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分かりやすさの理由は、まず本書の構成にあります。
まずは左の図をご覧下さい。文章を分かりやすくする技術として、5つの技術が提示されており、その中に、3~4つのテクニックが内包されています。そしてそのテクニックは、具体例とともに解説されています。
例えばテクニック3は、「不必要な情報を書かない」ということで、雑音のある文章の例や、情報をポイントアウトするためのコツが書かれています。

この中で、テクニック12の「センテンスを短くする」は、私がどうにもできないことの一つです。特に「「が」を捨てる」と「長い修飾語を使わない」の二つが、いまだに完全にはできません。ここで言う「が」は、もちろん、格助詞ではなく、逆接の接続助詞の「が」です。私はついつい使ってしまいます。
この他にも、本書で示されたテクニックや技術の多くは、私にとってすでに知っているものが数多く含まれていました。それでもなお、読む価値があるのは、それがなかなか実践できないからです。つまり、方法論を知っているだけでは、文章は上手になりません。練習あるのみなのです。

そうした練習の指針として、またオフィシャルな文章を出すときのチェック用に本書は役立つことでしょう。第8章には「「分かりやすい文章」のためのチェックリスト」が掲載されています。まさに使える本です。業務上実務的な文章を書く必要のある方は、本書を傍らに置いておくことをお勧めします。

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