« 告白 | トップページ | 教育書ベスト5 »

2010年5月10日 (月)

ビッグイシュー日本版 142号

Big_issue

ホームレスの仕事をつくり自立を支援する THE BIG ISSUE JAPAN ビッグイシュー日本版 142号」((有)ビッグイシュー日本)

健康のため、ほぼ毎週1回は青山から新宿までウォーキングをしています。先日も歩いていたら、慶應病院の正門付近(JR信濃町駅前)で本誌の販売員さんをみかけました。以前もご紹介しました通り、この雑誌は書店ではなく、路上の販売員から購入します。この場所で販売員さんを見かけるのは初めてですし、時間にも余裕があったので、本誌を購入するとともに販売員さんと少し話してみました。

:ここ、よく通るんですけど、販売員の方、初めて見ます。いつもここで売っているンですか?
販売員:いや、ここに立つの初めてなんですよ。今日はいつもとちょっと別の場所で売ってみようかと…
:そうでしたか。でも、病院前っていい場所ですよね。
販売員:う~ん、でも売れないんですよ。
:あらら、それは残念ですね。いい雑誌なのに。
販売員:はい。だからもう少し頑張ります。
:はい、頑張って下さい。応援します。

とてもシャイな方でした。購入後、立ち読みするふりをしながら様子を見ていると、病院から続々と出てくる人たちは、まるで販売員などいないかのように行き過ぎます。この様子を見ながら、いろいろなことを考えました。「少しの時間でも販売の手伝いをしようかな」「いやいや、それは逆に迷惑では」「そもそもなんと言って宣伝するのか、下手をするご偽善だぞ」などなど。現代の日本、とりわけ他人に関心が薄い東京において、路上販売は難しいなと実感しました。

肝心の雑誌の中身は、今回も面白い記事ばかりでした。特に特集記事である「遅れた警告 携帯電話の電磁波リスク」は内容も説明手法も優れた記事です。
携帯電話が普及し始めた頃、電磁波の危険性について何人かの専門家が意見を述べていました。それが、今日のようにすでに爆発的に普及してしまうと、まるで危機など無いような気持ちになってしまいます。実際、私もこの記事を読むまでは、電磁波の危険性については、まったく忘れていました。記事の概略は以下の通りです。

  • 携帯電話の発する電波は高周波と呼ばれ、電子レンジのものと同じ。だから携帯電話を使うと、人体の中のあちこちに温められる場所「ホット・スポット」ができる。
  • 軍事用レーダーも高周波。軍事用レーダーを扱う軍人に脳腫瘍や白内障が多いという研究論文は数多く存在する。
  • 08年徳島大学は、この高周波が兎の睾丸の精子を減少させるという論文を発表している。
  • 各国とも携帯電話の高周波について規制を設けているが、日本はスイスやイタリア、中国の数十倍となっている。EUは現在、日本の1/10,000の規制値を目指しているのに。

むろん、この記事では「だから携帯電話は危険」と決めつけているわけではありません。一貫して「こういうリスクの可能性がある」「安全であることが証明されていない」という報道姿勢でした。記事に登場する科学者たちも、客観的な証拠を示しながら、極めて冷静に意見を述べています。さらに記事を読んで心配になった人向けに、具体的な対処方法の提案もしています。こうした編集姿勢に好感が持てました。携帯電話会社から莫大な広告料をもらっている既存メディアでは、こうした記事は書けないでしょうから、とても貴重な特集だと思いました。

他にも注目記事がたくさんありました。ちばてつやさんへのインタビュー「どんな仕事でも、命をかけ、削るような時期がある」は読み応えがありましたし、雨宮処凛さんのコラム「キャバクラユニオンの歌舞伎町デモ」は、興味深く読むことができました。

本誌は全部で32ページ。以前ご紹介した第129号は36ページでしたから、4ページ減っています。通常こうした雑誌は、表紙や裏表紙に本文より厚い紙を使うのですが、それを省略して、すべて同じ紙にしたようです。
こうしたコストダウンを強いられるのは、やはり売れていないためなのだろうかと心配になりました。(むろん、本誌にもサイトにも、そんなことは一言も書いてありませんが)こうした良い雑誌をつづけていただくためにも、またホームレスの方の自立支援のためにも、街角で本誌の販売員を見かけたら、どうか購入してください。次号は5月15日発売とのこと。よろしくお願いいたします。

|

« 告白 | トップページ | 教育書ベスト5 »

雑誌」カテゴリの記事

コメント

先ほどは、コメントありがとうございました。

私も、この雑誌は売っているのを見かけたら買い求めていました。きっかけは、ホームレス支援という偽善的なキモチだったのですが、内容がなかなか面白く、充実していますよね。

この2年ほど、販売員の方を見たことが無かったので、もう雑誌自体無くなったのかなーと思っていましたが、続いていたのですね。

投稿: | 2010年5月10日 (月) 22時33分

雨さん、コメントありがとうございました。
販売員の方、新宿や渋谷だと比較的見かけますが、そのほかだとまだまだですね。もっともおられたとしても、視野に入っていないという可能性もありますが。
いずれにしても、貴重な活動だと思うので、私はできるかぎり購入していきたいと思っています。

投稿: むらちゃん | 2010年5月11日 (火) 00時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29188/48303997

この記事へのトラックバック一覧です: ビッグイシュー日本版 142号:

« 告白 | トップページ | 教育書ベスト5 »