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2010年5月12日 (水)

教育書ベスト5

Kyouiku

先日は、カテゴリ別冊数第1位だった「教養書」のベスト5を紹介しました。で、その次は? と数えてみたところ、「教育書」でした。全部で61冊です。もともと、教育書をよくいただくことから始めたブログですから、当然ではありますが。他のカテゴリの本は時期によってばらつきがあるのに比べ、教育書は、ブログ開始当初から現在まで満遍なく読んでいるな思いました。

せっかく数えたので、今回もベスト5を選んでみました。こちらも、選ぶことよりも順位を付けるのが難しかったです。

  1. 日本の教師に伝えたいこと
  2. こどもはおもしろい
  3. いのちの授業
  4. 日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか
  5. 教育×破壊的イノベーション

教育書の場合、ランキングの尺度は、私の人生観・職業観に対する影響度に設定してみました。
この中で「日本の教師に伝えたいこと」を1位にしたのは、やはり大村さんの仕事に対するスタンスに感銘を受けたからです。まだ駆け出しの編集者だったときは、大村さんの考え方に接しても、いまひとつ理解できなかっただけに、特に印象に残りました。若い先生には、ハウツーものの教育書だけでなく、こうしたベテランの先生の理念や哲学に触れていただきたいと思いました。今はぴんと来なくても、いつか役に立つはずです。

第2位は「こどもはおもしろい」にしました。河合さんが亡くなった直後に読み直した本です。この本の中心である、学校の先生たちと河合さんの対談はもちろん、河合さんによる対談後の「つぶやき」も読み応えがありました。また本書の表紙を描いている安野光雅さんとの対談も印象的でした。河合さんも、巻末に「安野さんとの対談は、楽しく、恐ろしい」と書いています。

第3位を「いのちの授業」にしたのは、もう単純に感動してしまったからです。読みながら涙ぐんでしまったことを記憶しています。教育書というよりドキュメンタリーとした方が適切かもしれません。教育者としてより、一人の社会人として「働くことの意味」を否応なく考えさせられた一冊でした。

第4位は「日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか」。この本は、まず提示されているデータに衝撃を受けました。子どもたちの意識の実態を知る上で貴重な調査結果です。教育界では意外とこのように科学的な実態調査はなされていないのが現状ではないでしょうか。ただ、タイトルに「なぜ低いのか」とあるにもかかわらず、低い理由は想像の域を出ていないように感じました。今後の研究に期待したいところです。

第5位は「教育×破壊的イノベーション」です。著者のクリステンセンさんは経済学者。専門であるイノベーション研究の立場から、現状の教育システムが制度疲労を起こしていると問題提起し、処方箋を具体的に提言しています。本書のおかげで、ビジネスの現場でよく使われるイノベーションと言う言葉について、さらに理解が深まりました。

こうして振り返ってみると、当初は教育界を理解しようとして読み始めた教育書が、最近では自分自身の仕事を内省するのに役立ってきたと感じています。今後も普遍性のある教育書を見つけ、読んでいこうと思いました。

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