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2010年5月 5日 (水)

教養書ベスト5

Kyo_yo記事別のアクセス数を調べた際、これまで読んできた本(含雑誌)の4月末時点での数を数えてみました。1記事で複数冊紹介している場合も1冊とカウントしたところ、合計302冊でした。読むのはともかく、まあよく書いてきたものだと思います(遠い目)。

このうちどのカテゴリが最も多いかと数えてみたところ、「教養書」でした。全部で66冊です。もっともカテゴリとして「教養書」ってのは、そもそもアリなのか?という根本疑問は残りますがcoldsweats01
とはいえ、せっかく振り返ったのですから、この3年間に読んだ中でのベスト5を選んでみようと考えました。

正直、この半年で「評論」「エッセイ」というカテゴリを追加したので、「教養書」カテゴリの中には、今となってはそちらへ移動した方がよい本が少なくありません。とはいえ、今回は3年間の一区切りですので、あえてそのままにして選びました。

  1. あなたの話はなぜ「通じない」のか
  2. 生物と無生物のあいだ
  3. 日本語が亡びるとき
  4. 白川静
  5. 村上春樹、河合隼雄に会いに行く

正直絞り込むのが非常に難しかったので、自分の思考に対する影響度を尺度にして選んでみました。
あなたの話はなぜ「通じない」のか」を1位にしたのは、文章表現に関する考え方や取り組みを大きく変えてくれたからです。それまでは、単なる技術だと思っていた文章表現について、伝える気持ちや意識とのつながりで捉え直しをさせてくれました。その後も何度も見直しているので、私が持っている水色の単行本はもうぼろぼろです。

2位は「生物と無生物のあいだ」。科学技術を詩的に解説することが可能なのだと教えてくれた一冊です。同時に、研究者に対する見方も変わりました。本書の趣旨である、生物の動的平衡の話題よりも、遺伝子の二重らせん構造解明までの、研究者の人間模様の方が興味深く読めたくらいです。すぐれた文章を残した科学者は、日本にも数多く存在しますが、福岡さんもその一人になるのだろうなと思いました。

3位は「日本語 が亡びるとき」を選びました。「学問を記述する言語」という視点はとても新鮮で、その後の読書に大きな影響を与えてくれた本です。またエッセイ風の書き出しが、後半に激しい主張に変化する、という文章構成の見事さにも心奪われました。水村さんのその後のシリーズもぜひ読みたいと思っているのですが、なにしろ体力の必要な本なので、まだ手が出せずにいます。

4位は「白川静」。「白川学」とでも言うべき独自の漢字理論については、これまで断片的知識はあったものの、その生い立ちも含め、概要を知ることができたという意味でとても大きな本でした。同時にマルチに活躍されている松岡さんの仕事、特に取材対象に対するスタンスが刺激になりました。

5位は悩んだ末、「村上春樹、河合隼雄に会いに行く」にしました。村上作品を語るとき、描かれた精神世界は切り離せませんが、それを紐解くために有意義な本です。村上さんの「走ることについて語るときに僕の語ること」と読み併せると、人間の内面に没入して行くような独特の心理描写の理由が分かったような気がして、興味深かったです。
それから章立てを「第一夜」「第二夜」としたり、頭注と脚注をそれぞれ村上さんと河合さんに担当させるなど、書籍企画上の妙も堪能させてもらいました。出版界では「対談ものは売れない」などと言われますが、企画の問題だよなと考えさせられます。

このほか最後まで悩んだのが、「空気の研究」や「対話のレッスン」、「ことばの力」などです。「空気の 研究」は、内田さんの「日本辺境論」を読むために、「対話の レッスン」は、会話と対話の違いを理解するために、重要でした。「ことばの力」は、ことばに対する詩人の感性に触れられたことと、岩波ジュニア新書の良い部分に触れられた実感があったことです。

実際にやってみて、ベストを選ぶというのはなかなか難しいものだと思いました。たぶん半年後、1年後にやってみたら、また違うランキングになるような気もします。また、今回ランクインした本は、すべて1年以上前に読んだ本でした。これは偶然でしょうか。それを検証するために、来年もやってみようかなと思っています。

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