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2010年5月30日 (日)

国民生活基礎調査

Chosa

先日、自宅に「国民生活基礎調査」の調査書類が届きました。そういえば、数週間前に、そういう調査があるよ、といった主旨のお手紙が来ていたような気がします。
分厚い封筒を空けてみて驚きました。世帯全体の状況を記入する紙が2枚と、世帯員全員が記入する回答冊子が人数分入っていたのです。質問項目は、たくさんある上に、「はい、いいえ」だけでなく、数字を記入するような質問もあります。「まいったな~」と思っていたら、挨拶状が入っていることに気づきました。
これがまた、脱力させる内容だったのです。

レイアウトは多少変更していますが、その挨拶状は、ざっとこんな具合でした。


第14回出生動向基本調査
結婚と出産に関する全国調査
ご協力のお願い

 拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。 国立社会保障・人口問題研究所(厚生労働省)は、現在、結婚と出産に関する全国調査(正式名称「出生動向基本調査」)を実施いたしております。これは、わが国における結婚、出産、子育て等の現状と課題を調べるために5年ごとに全国的に実施される標本調査であり、今回は第14回目の調査に当たります。

 この調査は、日本全国から無作為に選ばれた地域にお住まいの方々にご回答をいただくもので、このたびは皆さまがお住まいの地域がコンピュータによって選定されました。本調査は、人口減少あるいは少子高齢化へと向かうこれからの日本社会のあり方や施策を考える上で、たいへん重要な調査と位置づけられております。皆さまにおかれましては、ご多用のところ誠に恐縮でございますが、何とぞご協力をいただけますよう、切にお願い申し上げます。

 調査票の配布と回収のため、都道府県知事(または市長・区長)の任命を受けた調査員が皆さまのお宅に伺います。皆さまにご回答いただきました調査票は、回収用封筒に密封していただき、当研究所に届くまで開封を厳禁とするなど、情報管理には万全を期しております。さらに回答結果は、法律によって統計作成以外の使用が固く禁じられています。どうか安心してご協力をいただけますよう、重ねてお願い申し上げます。

平成22年6月

厚生労働省
国立社会保障・人口問題研究所長事務代理
副所長            ○○ ○○(実際は実名)

一読して、「知る必要のないことが詳しくて、知りたいことが書いてないなあ」と思いました。
まず国立社会保障・人口問題研究所と厚生労働省の関係が分かりません。この文面の表記だと、同一の組織に見えてしまいますが、そんなことはありませんよね。
次に、調査の正式名称や回数なんて、こちらにはまったく関係ない情報なのにやたら詳しく書いてあります。「標本調査」なんて、書く意味が分かりません。さらに、無作為で選んだということと、コンピュータが選んだというのは、意味的に完全な重複です。「本当は無作為じゃないんじゃないの?」と勘ぐりたくなります。

まあそうした表現上の問題は措いておくとして、問題は中身です。「この調査は重要です」とは書いてありますが、「どう重要なのか」は書いてありません。つまり、何に役立つのかもわからずに、こんな高負担の調査票に記入させられるわけです。
さらに情報の取り扱いについては、「国がやっているから」「法律があるから」大丈夫だと書いています。これはまったく説明になっていません。おそらく数十年前から同じ文面を使っているのでしょう。昔の人ならこの説明で納得したと思いますが、現在の国のていたらくでは、信用しろと言う方が無理です。
最後にこの手紙の差出人。固有名詞は伏せさせていただきましたが、この人はいったいどんな人なんでしょう? こうした依頼文書に書かれる名前って、ふつうは責任者の名前です。なのに、「代理」とか「副所長」とかついてます。なんで? しかもなぜ二つも肩書きがあるのでしょう……わかりません。
この挨拶状からほの見えてくるのは、役人のお上意識です。完全に内輪の論理で書かれています。この文書によって、調査を受ける人はどう思うか、自分たちが外部からどう見えるか、ということがまったく考慮されていません。

けれども一方で我が身を振り返ったとき、こうした内輪の論理を振りかざしている場面はないだろうかと思いました。ろくに検討もしないで「それはコスト面で無理」とか「そんなニーズはない」と切り捨てていることがあるかもしれません。「人の振り見て我が振り直せ」を実感した出来事でした。

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コメント

たまたま見たので書かせてもらいますよ。

>「人の振り見て我が振り直せ」を実感した
アンタにもこの発想があったんだね。

内輪の、それも自分の周りのごく少数の、
その時の雰囲気にまかせて物事を判断する。
井の中の蛙の典型例なのでしょうが、
よくありますわね。

起きている出来事、周囲が何を見て、
分析しているのかをろくに理解しないまま
個人的な思い込みをもとに判断してしまう。

冷静に過去の事案を振り返ったとき、
もっと良い結果をもたらせるチャンスが
実はあったと思うこと、よくありますよ。

難しいもんです。

投稿: 向かいの億万長者 | 2010年5月30日 (日) 14時40分

向かいの億万長者さん、コメントありがとうございました。
>> アンタにもこの発想があったんだね
はい、かろうじて(笑)。
ただ、失敗した後から気づくことの方が多いようです。反省はしているつもりなのですが、なかなか次につながりません。

投稿: むらちゃん | 2010年5月30日 (日) 17時12分

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