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2010年8月20日 (金)

模倣犯1

「模倣犯1」宮部みゆき:著(新潮文庫)

夏休みに部屋の片付けをしていた際、本書を発見しました。2~3年前に購入したまま放置していた本です。文庫とはいえ分厚い本なので、読む機会を逸していました。こういう本を発見すると、とても心が痛みます。

こうなると掃除と部屋の配置換えのやる気が失せてしまい、「掃除をしているときに限って、つい本が読みたくなるんだよな」と、自らに言い聞かせるように独りごちて、本書を読み始めてしまいました。これから地獄が待っているとも知らずに。

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。やがてバッグの持主は、三ヵ月前に失踪した古川鞠子と判明するが、「犯人」は「右腕は鞠子 のものじゃない」という電話をテレビ局にかけたうえ、鞠子の祖父・有馬義男にも接触をはかった。ほどなく鞠子は白骨死体となって見つかった──。未曾有の連 続誘拐殺人事件を重層的に描いた現代ミステリの金字塔、いよいよ開幕!

通常文庫本を読むときは、表4に書いてあるあらすじはほとんど読みません。何の予断も持たずに読みたいからです。けれども本書は購入からずいぶん時間が経ってしまったので、なぜ本書を購入しようと思ったのかを思い出すために読んでみました。
が、思い出せません。それに最後の「いよいよ開幕!」って、どういうことでしょう? 小説に開幕も閉幕もないものだと思って読み始めました。

物語は「塚田真一」という高校生が、朝、日課にしている犬の散歩に出かける、というシーンから始まります。驚くのは、通常の作品なら2~3行で終えてしまいそうな、この描写に約10ページも割かれているということです。おかげで読者は、次のことを知ることができます。

  • 塚田君がひどく神経質な記憶力を有しており、それは何らかの過去が影響していそうなこと
  • どういう事情か不明だが、「石井」夫妻と暮らしている。しかも、その生活に居心地の悪さを感じていること
  • 住んでいるのは隅田川近くであること

とはいえ10ページというのは、いささか長い感じがします。いくら600ページ近くある本とはいえ、この調子で登場人物たちを描写していったら、結末には容易にたどり着かないようなぁ、なんて思いながら読み進めていきました。
ところがそんな私の「描ききれないのでは?」という心配をよそに、その後も登場する、被害者、被害者の家族、警察官、ルポライターなどが、いずれも塚田君の描写に近い形で人物像が詳細に記述されてゆきます。そして最終行にたどりついたとき、衝撃を受けました。

(第二巻へ続く)

「えー!こんなに分厚い本なのに、第2巻って、一体何巻あるのだろう」と思いました。2巻だったら「上・下」になるはずですし、3巻だったら「上・中・下」になるはず。恐ろしくなって調べてみると、なんと全5巻! しかもいずれも分厚い本です。あまりの長編ぶりに、くらくらしてきました。あらすじに「いよいよ開幕!」と書いてあった意味がようやく分かりました。
まあ、最初に買うときそれくらい分かっておけよ、という話なのですが、何分昔の話なのでとうに忘れていました。

それでも本書の最後で、犯人かもしれない若者二人が事故にあった、という事実が明かされているので、それを確かめないわけにはいきません。そこで、2~5巻を一気に購入し、腰を据えて読むことにしました。

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