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2010年10月

2010年10月29日 (金)

鹿男あをによし

「鹿男あをによし」万城目学:著(幻冬舎文庫)

書評を参考に本を購入する場合は別として、書店での本選びというのは、なかなか難しいものです。新書の場合は、目次を読めば内容が想像できるので、ある程度確信を持って買うことができます。一方、小説の場合、目次はまるで役に立ちません。そこで、作者、タイトル、増刷回数を参考にします。加えて、文庫の場合だと、表4記載のあらすじ、どんな人が解説しているか、をヒントに選んでいます。

本書の場合、やはりこの奇妙なタイトルに惹かれました。ネット語風に解釈すれば、「鹿男@奈良」ということでしょう。「奈良で男が鹿に変身する?」ということで表4のあらすじを読んでみました。

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2010年10月27日 (水)

こころと脳の対話

「こころと脳の対話」河合隼雄/茂木健一郎:著(潮出版社)

河合さんの対談本は、数多く出版されており、いつもその示唆に富んだ話に感銘を受けています。中でも「村上春樹、河合隼雄に会いに行く」は、私にとってのベスト1です。村上さんの作品の中でもっとも好きな、「ねじ巻き鳥クロニクル」が主たる話題になっているというのが、その主な理由ですが。

本書はそれに比べると、文字数も少なく、気軽に読める内容になっています。しかし、内容が薄いということではありません。本書の帯には、うまいキャッチコピーが書いてありました。
 「脳」は「悩」を救えるか!?

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2010年10月25日 (月)

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2010年10/27号

「Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2010年 10/27号」阪急コミュニケーションズ

これだけ有名な雑誌にもかかわらず、実はこれまで読んだことがありませんでした。外国の有名雑誌の日本版というのは、なんだかしっくりこないイメージを持っていたからです。けれども日経サイエンスを愛読するようになって、翻訳雑誌への偏見が無くなったこともあり、今回読んでみることにしました。特集記事となっている「世界に広がるエネルギー教育」というタイトルに惹かれたからでもありますが。記事にはこんなリードがついていました。

気候変動について学ぶドイツの3歳児。省エネ競争に夢中のイギリスの小学生。子どもがエネルギーに関する正しい知識と習慣を身につければ、大人の行動も変えられる。教え方のポイントは「聞くこと」より「すること」を重視する実践的アプローチだ。

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2010年10月22日 (金)

真鶴

「真鶴」川上弘美:著(文春文庫)

川上さんは、ずっと気になる作家でしたが、これまでなかなか読む機会がありませんでした。「読もうかな」と思っても、さてどの1冊にしようかと考えると、結構迷ってしまい、結局読めない、という状態が続いていたのです。

そんなとき、私が定期閲覧させていただいている読書ブログに、本書が紹介されていました。「よく分からない作品」として。膨大な読書量と質の高いブログをなさっている方が「よく分からない」と評する小説──これは読まないわけには参りません。

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2010年10月20日 (水)

授業公開の見学

Ekokuban

「3日間連続で、授業公開を実施します」

先日、都内の某中学校の先生から、学校公開のご連絡をいただきました。公開授業ではなく、授業公開、つまり、よそ行きの授業ではなく、普段通りの授業が見られるのです。さらに、この中学校には、今なにかと話題の電子黒板が数台導入されており、それを活用した授業も見られるとのことでした。

電子黒板を使った授業は、普段使いの様子にこそ、ソフトウエア開発のネタがあるはずです。「これは行かねばなるまい」ということで、行って参りました。

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2010年10月18日 (月)

小川洋子対話集

「小川洋子対話集」小川洋子:著(幻冬舎文庫)

出版界には、「対談は安易な出版企画」という考え方があります。有名な人を二人呼んできて話をさせれば、それなりに書籍として成立するからです。著者としても、書くよりは話す方が気楽ですし。
しかもやっかいなことに、「安易=つまらない」ではありません。むしろ面白い本が多いくらいです。このブログでも、「対談・往復書簡」というカテゴリを設けるほど、多数取り上げました。まあ、要するに私は対談が好きなのですcoldsweats01

本書の魅力は、「小川洋子さん」と「対話」という、ある種のミスマッチにあります。寡黙なイメージのある小川さんが、だれと、どんな話をするのでしょうか。期待に違わず、とても面白い本でした。

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2010年10月15日 (金)

99・9%は仮説

「99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」竹内薫:著(光文社新書)

失敗学」を読んで以来、本棚の肥やしになっていた本をこの際読んでみようと引っ張り出してきたのが本書。発売された2006年当時は、結構話題になりました。これも途中まで読んで、そのままにしてしまった本です。
今回改めて読み直してみると、読んだときの記憶がよみがえりました。「飛行機はなぜ飛ぶのか、科学では説明できない」という書き出しは、なかなか衝撃的で、引き込まれてしまったので、よく覚えています。同時に、前回読むのを止めてしまった理由も思い出しました。

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2010年10月13日 (水)

失敗学のすすめ

「失敗学のすすめ」畑村洋太郎:著(講談社文庫)

40歳の教科書を読んだとき、畑村さんの考えに触れました。その中で心に響いたのは「失敗という名のワクチンを接種しよう」というフレーズでした。私たちはどうしても失敗をネガティブなことととらえてしまい、消してしまいたい、あるいは隠しておきたい、と考えがちです。けれども畑村さんは、「失敗を分析することで、失敗を未然に防ぎ、失敗から人を成長させることができる」と述べています。

なるほどなあと思いながら、私の書棚に本書が放置されていることを思い出しました。数年前に購入し、途中まで読んだところでそのままにしてあったのです。こうやって「積ん読」本の存在に改めて気づけるのも読書の楽しみの一つでしょう。これを機会に再度読んでみることにしました。

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2010年10月11日 (月)

受け継がれるもの

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先日、学生時代に所属していたアメリカンフットボール部のOB会から、会報にエッセイを寄稿して欲しいとの依頼がありました。
チームは創部35年と、さほど歴史はないものの、草創期の話題はすでに忘れ去られています。そこでゴールポストの逸話から、連綿とつながるチームへの思いを文章にしてみました。後輩たちや若いOBたちに、そうした人の思いの流れを感じて欲しかったからです。うまく表せたかどうかは甚だ心許ない限りですが。

自分の備忘録もかねて、以下にその文章を掲載します。なお、OB会報では実名になっている個人名、大学名はすべて匿名とさせていただきました。

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2010年10月 8日 (金)

砂漠

「砂漠」伊坂幸太郎:著(新潮文庫)

「砂漠」という言葉を聞いて、どんな様子を思い浮かべるでしょうか。「無味乾燥」「カラカラ」「殺伐」「灼熱」「死」などなど。ほとんどの方が、このようにネガティブな単語を思い浮かべることでしょう。

店頭で本書を目にしたとき、「砂漠」という言葉のイメージと、表紙の立体イラストの雰囲気から、暗く、沈鬱な物語をイメージしました。しかし作者は伊坂幸太郎さん。このブログでは、以前「チルドレン」をご紹介しました。私のイメージでは、「ミステリー仕立ての爽やかな青春小説を書く人」という認識だったので、そのギャップがことさら気になって、つい購入してしまいました。

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2010年10月 6日 (水)

いつまでもデブと思うなよ

「いつまでもデブと思うなよ」岡田斗司夫:著(新潮新書)

3年前にベストセラーとなった本書。当時、今よりもかなりデブだった私は、書店で見かけても立ち読みすらしませんでした。「BSマンガ夜話」などの番組で見かける岡田さんの論調には、若干の違和感があった上に、自慢げに「らくらくダイエットしちゃいました」などと言われた日には、気持ちの寄り添いようがありません。それに、当時はダイエットなど、微塵も考えておりませんでしたし。

そんな私が昨年からダイエットを開始し、現時点で33kgの減量に成功し、現在も継続しているのですから、人生とは分からないものです。そんなわけで、以前は忌み嫌っていた本書を読んでみようという気持ちになりました。どちらかと言えば批判的な気持ちで。

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2010年10月 4日 (月)

日経サイエンス(2010年11号)

「日経サイエンス2010年11月号」(日本経済新聞出版社)

この夏、相模原市(神奈川県)は、ちょっとした宇宙ブームでした。JAXA相模原キャンパスにて、小惑星イトカワから帰還した「はやぶさ」の公開があったからです。バブル崩壊以降、なんだかずっと元気がない日本にとって、技術力を世界に示すことのできた、久々に明るいニュースだったからでしょうか。

その「はやぶさ」だけでもすごいのに、実はそれに匹敵する取り組みが始まっていました。「はやぶさ」帰還の4日前、宇宙ヨット「イカロス」が宇宙で帆走を開始していたのです。風(空気)のない宇宙で「ヨット」しかも「帆走」とは、どういうことでしょうか。

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2010年10月 1日 (金)

青い鳥

「青い鳥」重松清:著(新潮文庫)

本書は、8つの物語で構成された短編集。各話とも舞台は中学校、それも別々の中学校です。それぞれ、悩みや問題を抱える中学生が登場し、彼(彼女)の視点で描かれています。物語のタイトルと登場する中学生(最後の物語だけ元中学生)は、こんな具合です。

  • ハンカチ(場面緘黙に苦しむ女の子)
  • ひむりーる独唱(教室で教師を刺した過去を持つ男の子)
  • おまもり(部活と友人関係に悩む女の子)
  • 青い鳥(いじめに荷担した過去を持つ男の子)
  • 静かな楽隊(教室でボス的な友だちとの関係に悩む女の子)
  • 拝啓ねずみ大王さま(父の自殺に傷つき学校に居場所のない男の子)
  • 進路は北へ(私立女子校の息苦しさに反発する女の子)
  • カッコウの卵(中学時代に立ち直りのきっかけを得た元不良)

一見バラバラに見えるこれらのお話しには、実は共通した「ヒーロー」が登場します。

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