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2010年11月

2010年11月29日 (月)

街場のアメリカ論

「街場のアメリカ論」内田樹:著(文春文庫)

日本辺境論」を読んだタイミングで本書を購入しました。なのに、こないだまで積ん読状態。最近になってようやく読むことができました。それでも私にとっては、今が読むのに最適の時期だったなと感じています。

それは、鳩山政権でギクシャクしだした対米関係によって、周辺諸国との外交問題(主として領土問題)が顕在化し、変化してきたこと。もう一つは、「日本辺境論」で芽生えた思考の軸のようなものが、頭の中で少し熟成してきたからです。

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2010年11月28日 (日)

コピペ問題

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日経パソコンの2010年11月22日号に興味深い記事が掲載されていました。野間俊彦さんがお書きになった「教育が問われるネットのコピペ問題」と題するコラムです。大学では数年前から、小学校でも最近問題になっている、インターネットの情報をコピー&ペーストして宿題をやっつけてしまうことについて、現役の副校長先生らしい提言をされていました。

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2010年11月26日 (金)

日経サイエンス(2011年01月号)

「日経サイエンス2010年12月号」(日本経済新聞出版社)

なんだか頼まれてもいないのに、完全に日経サイエンス誌の宣伝担当になっています。もっとも、ピント外れの記事で、かえって逆宣伝になっているかもしれませんがcoldsweats02

さて、今月号で気になった記事は、新連載である「挑む」と、特集記事である「南極に巨大レーダー」、それから「量子暗号通信 実運用へ」の3つです。

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2010年11月24日 (水)

教育の情報化と著作権教育

「教育の情報化と著作権教育」野中陽一:編著(三省堂)

本書は著者の方からお送りいただきました。このように先生方にのみ書かれた教育書は、購入するには少々気が重いので、ありがたい限りです。世の中の情報がどんどんデジタル化される現代では、著作権の知識が必要不可欠となりますから、その教え方について、かねがね興味を持っていましたので。

目次を見ると、「理論編」「実践編」「教材編」「資料編」となっていました。このうち「理論編」が、本書の約5割を占めています。理屈を十分に学ばないと教え方が理解できない、という編集方針と理解しました。確かに著作権は複雑な法律ですし、何度も改正されていますから妥当な構成だと思いました。

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2010年11月22日 (月)

カラフル

「カラフル」森絵都:著(理論社)

本作は映画化もされている超有名作品だったようなのですが、恥ずかしながら、「がんばれ理論社」コーナーで見るまでは存じませんでした。購入したのは、森さんの作品だから、ということと表紙デザインが美しかったからです。
この表紙、アマゾンの画像は「どうしちゃったの?」というくらい変な色ですが、実際にはきれいなレモンイエローです。さらに著者名・出版社名が手書きのローマ字で書いてあります。「Eto Mori」なんて、まるでフランス人の作家みたいですhappy01

そして本書のストーリーも、このデザイン同様、よく練られたすばらしいものでした。物語は、こんな突拍子もないプロローグから始まります。

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2010年11月19日 (金)

赤めだか

「赤めだか」立川談春:著(扶桑社)

扶桑社の文芸誌に連載されていた頃から、落語ファンの間で評判だった本書。いつか買おうと思っているうちに、ずるずると2年が過ぎてしまいました。先日ようやく手に入れたところ、評判に違わず、読み出したら止まりません。一気に読んでしまいました。

話し言葉の達人は書くのも上手ということなのでしょうか。言葉を生業とする方だけあって、実に読ませるエッセイでした。最も秀逸と感じたのは、本書の構成。本の終末、落語で言う「さげ」が印象的なだけではありません。もともと「談春のセイシュン」と題された連載だった本書は、次のような、意外な、そして巧みな書き出しで始まります。

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2010年11月17日 (水)

見える学力、見えない学力

「改訂版 見える学力、見えない学力」岸本裕史:著(大月書店国民文庫)

先日ご紹介した「授業の復権」にて「名著」と絶賛されていた本です。読む前は、学校の先生向けに書かれた教育書であろうと想像していましたが、必ずしもそうではありません。親向け、世間向けに書かれた部分がずいぶんあります。そして教育行政に関わる方にも。

本来教育とは、社会全体で取り組むべき事でしょう。社会の利益のためにやっているわけですから。岸本さんは、そうした意識を強く持って本書をお書きになったようで、冒頭の「改訂版まえがき」を、次のような熱い言葉で結んでいます。

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2010年11月15日 (月)

この世でいちばん大事な「カネ」の話

「この世でいちばん大事な「カネ」の話」西原理恵子:著(理論社)

本書はちょっと気になる本でした。それでも、サイバラさんの貧乏ネタは、もうずいぶん読んだ気がしていたので、読まなくてもいいかなと思っていました。今回読んでみようと思ったのは、「がんばれ理論社」フェアのおかげ。改めて読んでみて、敬遠してきた自分の不明を恥じました。本書は、かなり真面目な、そして本質的な生き方の指南本だったのです。

本書の表紙には、迫力ある西原さんの手書き文字が躍っています。それと同様、各章のタイトル、その下の小見出しに至るまで、迫力ある手書き文字で書(描?)かれています。その味が伝えきれず残念ですが、以下に章立てのみ引用します。

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2010年11月14日 (日)

がんばれ理論社

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先日、大阪に出かけた際、阪急梅田駅にある紀伊國屋書店に立ち寄りました。広大なフロアに圧倒されながら、あちこち見て回っていると、「よりみちパン!セ」の本が多数並んでいるコーナーを発見しました。「珍しいな」と思ってよく見ると、そこは理論社の本ばかりを集めたコーナーです。
見上げると左のようなパネルが掲示されていました。写真は見にくいので、以下その文言を引用します。

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2010年11月12日 (金)

私の幸福論

「私の幸福論」福田恆存:著(ちくま文庫)

一般に「平易な文章」といと、一文は短く、専門用語は使わず、具体的で身近な事例を使って説明している文章を指すように思います。この定義について、本書を読むまでは、てっきり「逆もまた真」だと思っていました。
そう、本書は、一文は短く、難解な用語は一切使われていないにもかかわらず、決して平易な文章ではなかったのです。書かれていることを読み取ってから、自分の中でもう一度反芻するという作業が必要でした。反芻しても理解したとは言えないような気もしていますが。

本書には全部で17の章があり、その冒頭が「美醜について」というタイトル。女性誌に連載された文章をまとめたという割に衝撃的なタイトルです。しかもそれは、次のように身も蓋もない文章で始まります。

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2010年11月10日 (水)

授業の復権

「授業の復権」森口朗:著(新潮新書)

教育業界に関わって、そろそろ30年になろうとしているのに、恥ずかしながら本書の著者、森口さんの存在を存じませんでした。書店で本書を手にしたのは、書名に興味を持ったからであり、まったくの偶然です。

それが、目次を一覧して少し驚きました。教育関係者なら誰もが知っている有名な授業者が取り上げられている上に、そのセレクトのし方がユニークなのです。以下に目次を引用します。

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2010年11月 8日 (月)

ジェネラル・ルージュの凱旋

「ジェネラル・ルージュの凱旋(上)(下)」海堂尊:著(宝島社文庫)

小説を読み終わって「良かった、面白かった」と感じることは良くあります。ただ、その良さや面白さの中身は一様ではありません。本書を読み終わった直後、そんなことを考えました。

まずは、下巻の表4に記載されているあらすじをご紹介しましょう。上巻のものは、物語のイントロダクションなので省略します。

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2010年11月 5日 (金)

芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか

「芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか擬態するニッポンの小説」市川真人:著(幻冬舎新書)

村上春樹さんといえば、「今年こそノーベル文学賞では!?」ということで、今年ずいぶん話題になりました。それほどまでに評価される村上さんが、なぜ芥川賞を取れなかったのか──改めて問われてみると、確かに不思議です。
雑誌や新聞の書評で取り上げられていたことと、この直球で分かりやすいタイトルに惹かれて本書を読んでみることにしました。

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2010年11月 3日 (水)

つげ義春コレクション 4~6

「つげ義春コレクション 4~6」つげ義春:著(ちくま文庫)

「つげ義春コレクション」は、全部で9巻あります。以前1~3巻をご紹介して以降、ずっと未読状態でした。「まんがなので、いつでも読める」と思っているうちに、ずいぶん時間が経ってしまったのです。

今回改めて4~6巻を読んでみると、おそらくつげさんしか描けないであろう独自の作品群に舌を巻くとともに、全集としての構成の妙にも感動しました。
以下にそれぞれのタイトルと、その表4(裏表紙)で紹介された概要、各巻の解説者をご紹介します。

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2010年11月 1日 (月)

日経サイエンス(2010年12号)

「日経サイエンス2010年12月号」(日本経済新聞出版社)

今月号は、大特集として「『終わり』を科学する」というテーマが掲げられていました。宇宙の終わり、生命の終わり、資源の終わりなど、様々な「終わり」の話題で紙幅の大半を費やしています。大特集というだけのことはあります。
そんな中で、もう一つ重要な特集が掲載されていました。ノーベル化学賞の話題です。

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