« 電子書籍の時代は本当に来るのか | トップページ | シュガータイム »

2010年12月22日 (水)

本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み

「本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み」佐々木俊尚:著(日経ビジネス人文庫)

インターネットが普及し始めた、1996年頃、Webサイトを紹介した本や雑誌がずいぶん発行されていました。当時はまだ更新頻度も少なかったですし、何より検索エンジンがさほど高性能ではありませんでしたから、本による紹介というのは、重要な情報源でした。

現在では、ブログやTwitterなど個人の情報発信ツールが非常に発達していますし、検索エンジンの性能もいいですから、こうした書籍はすっかり絶滅したと思っていたら、ありました。しかも著者は「電子書籍の衝撃」を書いた佐々木さんです。いったいどんなサイトをどのように紹介しているのか、興味を持ちました。

本書で紹介されているサイトは以下の通り。目次から引用してご紹介します。

  • 【第1章】おしゃれが変わる
    • プーペガール/アトリエ/アットコスメ
  • 【第2章】食生活が変わる
    • 食べログ/サンプル百貨店/Alike/おとりよせネット/Shufoo!/クックパッド
  • 【第3章】家探しや家具選びが変わる
    • スマイティ/リビングスタイル
  • 【第4章】新たなエンタテインメントを楽しむ
    • TUTAYA DISCAS/filmo/本が好き!/ニコニコ動画/まぐまぐ!マーケット/SPIDER
  • 【第5章】レジャーが変わる
    • 一休.com/ポイ探/フォートラベル/iコンシェル
  • 【第6章】 生活の悩みを解消する
    • QLife/OKWave/All About プロファイル/マニュアルネット
  • 【第7章】人と人のつながりが変わる
    • 発言小町/ウェブポ/エキサイト恋愛結婚

自分では、結構情報感度は高いと思っていたのですが、これらの28サイトのうち、私が知っていたのは14。ちょうど半分です。おしゃれのサイトや、部屋探し家具選びのサイトは興味がないから知らなくて当然だよなと思いつつ、そうした興味のない情報にアクセスできるのが、「書籍」というメディアの特性だと感じました。
とはいえ「興味のないことを知ったって、仕方がない」と考える人も多いでしょう。確かに人間が非常に合理的で無駄のない存在であるならば、その通りです。でも、一見余分や無駄に見える情報の中に、今抱えている問題のヒントが隠れていることがあります。イノベーションが生まれるときって、案外そういうところなのではないでしょうか。

今のWebサイトは、どれだけ個人の好みを反映できるか、と言う部分を競っています。私も、アマゾンのレコメンド機能(『○○を買っている人は、■■も買っています』と表示する機能)を最初に見たときは、「すげぇ!」と感動しましたし、実際釣られて購入もしました。けれども、個人の嗜好や指向ってそんなに不変で絶対的なものでしょうか? 結構いい加減で、その場限りのものの方がむしろ多いのではないでしょうか。だとすると、そうしたいい加減なデータを後生大事に加工しても、あまり幸せな結果にならないのではないかなあと思いました。
Web紹介の本を読んでいるのに、それとは関係ない、以上のようなことを妄想していました。それでも、本書の巻末で紹介されていた「エキサイト恋愛結婚」では、サービスの提供を受けるうちに、恋愛対象の好みが大きく変わるケースが良くあると紹介されていました。こういうのは、人間がちゃんとフォローしているから分かるのだろうと思いました。

本書は、日経PC21という雑誌に2007年~2010年にかけて連載された文章をまとめたものだそうです。雑誌連載ならば今を切り取ると言うことで有意義ですが、果たして文庫化することはどうなのでしょう。どうも、「書籍」というと、ひとつのまとまった主張が書かれているもの、というイメージがありますから、どうしても読後の満足度は低くなってしまいます。

けれども、先日ご紹介した「電子書籍の時代は本当に来るのか」で述べられていた、「電子書籍ならではの書籍の姿」というのは、案外本書のようなコンテンツなのではないかと思いました。著者は佐々木さんですから、当然そうした未来を視野に入れて書かれたことでしょう。
様々なサイトを知りながら、電子書籍の未来も占える、そんな一冊でした。

|

« 電子書籍の時代は本当に来るのか | トップページ | シュガータイム »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

ビジネス書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29188/50299514

この記事へのトラックバック一覧です: 本当に使えるウェブサイトのすごい仕組み:

« 電子書籍の時代は本当に来るのか | トップページ | シュガータイム »