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2011年1月31日 (月)

日経サイエンス(2011年3月号)

「日経サイエンス2011年3月号」(日本経済新聞出版社)

科学技術に興味はありながらも、理系の知識がほとんどない私が、この雑誌を購入しようと思った理由の第一は、写真や図版がすばらしいことでした。「すばらしい」の中身は、「美しい」「わかりやすい」はもちろん、「驚くべき」や「ど迫力」、「見たこともない」などが含まれています。
今月号は、特にそうした「すばらしい」写真が多数掲載されていました。

Cyborg

まず圧倒されたのが、「翔べ! 昆虫サイボーグ」という記事の写真。ミツノカナブンという昆虫の写真。表紙の右上にある小さい写真を見たときは「虫の背中に何か乗っているな」くらいにしか思わなかったのですが、記事中の大きな写真を見て驚きました。なんと、背中に乗っていたのは電子部品で、その電線は、カナブンの脳に直結されていますsign03 この写真だけでも衝撃的なのに、そのキャプションを読んで再度ビックリ。

背負っているユニットに無線信号を送り込むことで、この甲虫の飛行を制御できる

ひぇ~、まさにサイボーグ。こんなこと、SFやマンガの世界だけだと思っていたら、すでに実験は成功している(カリフォルニア大学バークレー校)とのこと。もともとは極小の飛行ロボットの研究だったものが、飛行エネルギーの問題から、昆虫を制御する方向になっていったのだとか。気持ちは分かりますし需要もあるだろうとは思いますが、なんか、欧米的な発想ですよね。
いずれにしても、この記事は写真の迫力で記事の50%くらいは成功しているように思いました。映像の持つ力を見せつけられました。

Art

そしてもう一つは、写真がメインになっている記事「生命の美 顕微鏡が見せてくれる驚くほど多様な光景」です。「オリンパス・バイオスケープ・デジタル画像コンペティション」という大会に出品された顕微鏡アートが紹介されていました。冒頭に最も大きく掲載されているのが、ゲンゴロウモドキの前肢の写真。まるで、ゴッホかゴーギャンの描いた太陽のようです。背景に見える青色は、こうした「アート」にするために、被写体を青いスクリーンの上に載せ、後ろから光を当てているからなのだとか。ううむ、すごい工夫です。
そういえば「世界は分けても分からない」という本の中にランゲルハンス島の顕微鏡写真に着色したものが掲載されていました。あれはパソコンで画像処理した映像でしたが、「島」と名付けられた理由がよくわかる写真になっていました。私も小さいころにこういう写真を見せられていたら、もしかして理系人間になれたのではないかなと妄想しました。こうした美しい写真には、それくらいの力があると思うのです。

さらに今号では、恐竜の化石に血球や爪などの有機物が見つかったとの記事も興味深く読むことができました。化石ができる過程の図版も分かりやすかったです。
一方で、メインの特集記事である「新原理の量子コンピューター」という記事は、私の知識レベルでは理解できませんでした。あまりに分かりやすくすると専門性が薄れてしまうので、当たり前のことではあるのですが。

それからいつも楽しみにしている「挑む」では、記事のポイントとなる部分に誤植(もしくは脱字)があって、少しだけがっかりしてしまいました。こういうことを書くのは、小姑みたいでいやな感じではありますがthink、これも日経サイエンスを愛するが故のこととお許し下さい。
一人でも読者が増えて、少しでも価格が安くなることを祈念して止みません(笑)。

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コメント

むらちゃん様,こんにちは。

いつもご愛読いただき,ありがとうございます。
日経サイエンス編集部の詫摩です。

そうです。「挑む」の記事中で脱字をやらかしてしまった,その詫摩です。慌てて,読み直して探し,発見しました。お恥ずかしい限りです。
ご指摘,本当にありがとうございました。
保存用のデータを直しておきます。

いつも日経サイエンスを取りあげて下さり,ありがとうございます。編集部員の励みになっております。
(実はここでこっそり,面白そうな本を探したりもしています・・・)

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: 日経サイエンスの詫摩雅子 | 2011年2月 2日 (水) 16時42分

詫摩さん、コメントありがとうございました。
また、余計なことを書きましてすみませんでした。記事がちょうど佳境にさしかかったところだったので、気になってしまいました。

かくいうぼくも、編集者の時は誤植王と呼ばれておりました。1章まるごと柱が間違っていたり、扉のタイトルに誤植があったりしたことがあります。それらはいずれも世の中に出回ってしまいました。
若気の至りとは言え、つくづく編集者には向いていないと思ったものです。

さて、それで気になったのですが、「保存用のデータ」ということは、DVDか何か電子出版の予定があるのでしょうか? 雑誌は基本的に読んだら捨てる、という主義のぼくですが、貴誌だけは専用バインダーを購入して保存しています。
デジタル化されるといいのですが…

投稿: むらちゃん | 2011年2月 2日 (水) 17時02分

と思ったら、貴社のサイトにありましたね! DVD。失礼しました。でもちょっと古いなあ…。

投稿: むらちゃん | 2011年2月 2日 (水) 17時33分

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