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2011年4月22日 (金)

教師が伸びるための 野口芳宏 師道

心に刻む日めくり言葉 教師が伸びるための 野口芳宏 師道」野口芳宏:著(さくら社)

いやあ参りました。「企画の勝利」という言葉がありますが、本書(本商品?)は、まさにそれにあたります。日めくりが本なのか、という議論はさておくとして、この企画が素晴らしいのは、内容とそれを伝える形式が一致しているということです。

ご覧の通り、これは「日めくり」。毎日1つ、野口先生の金言とその解説が読めるようになっています。両面印刷になっていて、16日経過したらひっくりかえしてまためくり、1か月経ったらまたひっくり返して、同じ言葉を眺めてゆく、という仕組み。
「同じ言葉を毎月読んでも、すぐに飽きちゃうんじゃないの?」と疑問に思われる方もいるでしょう。当然の疑問です。そこで、この中から一つご紹介しましょう。

成長を望む者は、
常に謙虚であれ。
(黒板にチョークで書いた野口先生の自筆)
(解説)「謙虚」とは自分を低く認識することである。自分を低く認識すると楽になる。「知らなくて恥ずかしい」ということがなくなるからだ。また「他人からどう見られているか」などということを気にしないで済む。その結果、素直に教えを請い、思い切ったことも発言できる。それが結局は自分の成長を促すことになるのである。

いかがでしょうか。納得されるどころか「そんなの当たり前じゃん」って思う方さえいるかもしれませんね。けれども、この言葉をもう少し具体的に考えてみましょう。日々の生活を振り返ってみたとき、本当に謙虚なふるまいができているでしょうか。私などこの言葉に接し、過去のこんな恥(黒歴史)をすぐに思い出しました。

  • 会議でよく分からない専門用語が発せられ、「?」と思いながらも、他の参加者は分かっている風なので分かっているフリをした
  • 同僚が興味深いノウハウを口にしていたが、年齢も社歴も少ない彼には詳しい話を聞きに行けなかった
  • 部下の稚拙な企画をにべもなく却下したが、後日見直すと光るものがあった

つまり私の場合、経験が言葉によって概念化されたわけです。50年以上国語教育に関わって来られた野口先生の言葉には、やはりそうした力があります。

ですから当然、本商品の言葉は、読者の経験の内容や年数によって受け取り方が異なることでしょう。「ふ~ん」と思うだけだったり、時には「え~?」と思うような言葉もあるかもしれません。でも、それでいいのです。毎月同じ言葉に接しているうちに、「あっ」と思う瞬間が、1年のうちに1回でもあればもうけもの。この日めくりを購入した意義があるというものです。

経験を極めた方の言葉というのは、どの分野でも貴重なものです。それをデスクトップ型の日めくりにするという企画はすばらしいと思いました。最後にこの日めくりの最後に記された野口先生のメッセージを引用します。

人の子の師として在るべき生き方、努め方の道筋が「師道」である。数多の職業の中から教師という尊い仕事を選んだからには、誠実に師道を究め、心から師道を楽しむことが最上の幸せであろう。
 それに憧れ、それを求める前向きな同士の為に、聊かのヒントになればと編んだのがこの日めくりである。私の片片の言葉が、前途有為な諸賢の日々に役立てて貰えるならば、それは老生の至上の喜びである。

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