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2011年4月29日 (金)

心に刻む日めくり言葉 子どものための教室論語

心に刻む日めくり言葉 子どものための教室論語」論語研究教師の会:著(さくら社)

調子に乗って、シリーズ3作目もご紹介します。それは「論語日めくり」。これまでの日めくりは、先生個人むけでした。おそらくは先生の自宅や職員室に置かれるべきものでしょう。一方、この日めくりは、明らかに教室に置くことを想定して作られています。

なぜそう断言できるかというと、この4月から正式実施された小学校の学習指導要領。国語科において、「古典の重視」という方針が打ち出されたため、各社の教科書にはこれまで以上に古典が収録されています。確認はしていませんが、論語を取り上げている会社もあることでしょう。以前も「子ども論語塾」という本をご紹介させていただきました通り、子ども向けの論語というのは、最近ちょっとしたブームですから。

昔、寺子屋では意味が分かろうが分かるまいが論語を暗唱させたと言います。湯川秀樹博士が、幼少の頃に漢学者であるお父さんから論語を教え込まれたというのは有名なエピソードです。そうしたことから、論語は、単に古典的表現に触れるという意味を超えて、学習の習慣化とか、日常化の目的で活用され始めているといっていいでしょう。
この日めくりの企画も、間違いなくそうした流れの中にあります。

それで問題はその紹介の仕方。どの言葉を取り上げるか、それにどんな解説を加えるか、という点が問題になります。この日めくりは、論語の中から人のふるまいについての言葉を中心に選定した上で、簡潔な解説をつける、という編集方針を採っているように感じられました。

3 入りては則ち孝、
出でては則ち弟。
謹んで信。

                    学而第一
お父さんお母さんを大切にします!
家では、お父さんお母さんを大切にします。外では、年上の人に対して、その人の弟になった気持ちで素直に教わりましょう。そして出しゃばらず、正直にしていましょう。

子どもたちが明らかに読める漢字以外には、すべてふりがなが振ってありますので、子どもたち自身が読むということも想定していると思われます。さらに踏み込んで言えば、暗唱させることを意図しているのかも知れません。いずれにしても、「日めくり」という狭く限られたスペースの中で、子どもでも読める、ある程度意味も理解できるようにまとめられている点はすばらしいと思いました。

ただ、個人的には、人のふるまいを中心とするよりも、ものの道理とか考え方のような内容をもうちょっと増やしても良かったのではないかなと思いました。さらに、巻末に著者陣(論語研究教師の会)の言葉として記された「道徳教育および学級づくりにお役立てください」といったメッセージも、少々「う~ん」ではありました。文章の短い、日めくりというメディアだからこそ、単に「論語は漢方薬のように、あとからじんわりと効いてくる言葉だから覚えよう」みたいな、単純なメッセージの方が伝わりやすかったのではないかな、と思いました。

とはいえ論語は論語です。子どもたちへの与え方は先生や親次第。本と比較して、何度も目にしやすいという点で、日めくりに論語という企画はとても価値があると思いました。

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