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2013年9月24日 (火)

田舎の紳士服店のモデルの妻

「田舎の紳士服店のモデルの妻」宮下奈都:著(文春文庫)

7月下旬から読み始めた本書、9月になってようやく読了。これは、宮下さんのファンとして楽しみに読んだ本です。
一言で感想を述べるなら「面白かった」となります。けれども、ちょっと不満も残ったというのも事実です。

勝手な感想ですが、最終章は、あと20枚くらい書くべきだったのではないでしょうか。特に終盤のあたり。梨々子と筒石さんのやりとりの中で、生まれる大切な言葉は、やっぱりセリフで語って欲しくはありませんでした。それまでは梨々子の心情変化が実に丁寧に描かれていただけに。

それは結局、達郎(夫)の描き方が不十分だったのではないかと思います。梨々子の変容に、達郎のうつ病は必須要因だったわけですが、その病状がうっすらしすぎていて、田舎に戻る説得力に欠けると思うのです。
このあたりの感想は、もう、すでに多くの方が書いているだろうけれど。

終盤、息子である歩人に友人ができたシーンで、達郎が「ぼくたちみたいに」とつぶやくところは感動的です。そして、それがラストにつながっていくのだけれど、つらかったときの描き方が十分でないので感動が伝わりにくいのです。歩人と梨々子の問題になっちゃう。

もしかすると、途切れ途切れに読んだことが原因であり、一気に読んだ人にとっては、そんな違和感はないのかもしれません。ただ、宮下さんの作品が好きなだけに、前半のもたつきと後半の端折り感が、あったように読めました。

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