« かつお節と日本人 | トップページ | 大学生のためのリサーチリテラシー入門 »

2013年12月 2日 (月)

教員採用のカラクリ

「教員採用のカラクリ 「高人気」職のドタバタ受験事情」石渡嶺司/新井 立夫:著 (中公新書ラクレ)

 本書は発売を楽しみにしていた一冊。教員採用試験には、実際カラクリがあるように感じていた部分もあるので、就活本などで大いに実力を発揮している石渡さんたちが、どれくらいそこに切り込んでくれるか、とても期待していました。

 「教員採用試験をこれから受けよう」とか、「教員免許を取っておこうかな」「就活と採用試験で二股を掛けることはできるかな」と考えている学生さんには極めて適した本でしょう。いわゆる対策本には書いていないようなことがずいぶんあるように感じました。強くお勧めします。

 とはいえ、期待値が高かったせいか、多少なりとも教員採用試験について知っている身からすると、教育関係者の視点から見ると物足りない印象がありました。
 「カラクリ」というからには、採用試験を企画・実施している本丸を取材して欲しいところです。同じように見えて年々少しずつ変わっているのがこの試験ですから。けれども、どうもそこには取材した形跡がありませんでした。ここに取材していれば、昨今、各地の採用試験が面接重視(回数増加など)となっている理由について、何らかの形で触れられたはずなのですが。

 がっかりポイント2つめは、教師用指導書への誤解です。「悪魔の伝導書」なんて呼び方は聞いたことがありません。実際作っていた身からすると、そんなに参考になる書籍じゃありませんよ、と申し上げたいところです。実際には誰だって買えますし。教育実習に行ったら、たいてい指導の先生から見せてもらえるんじゃないでしょうか?

 それから採用試験における模擬授業について「滑稽である」との批判をしていますが、これは当たらないと思います。試験官は授業の巧拙なんて見ていないんですから。(じゃあどこを見ているのかというのは企業秘密(笑))これを言うなら、自治体がやっている教師塾の問題点について批判した方がいいと思うけど、これについては記述がありませんでした。

 さらに「面接での熱血はだめ」って書いてあありました。しかし、これは完全な誤解。根拠のない熱血がだめってことです。基本的には会社の面接と同じであります。それより、熱血よりたちが悪く数も多い「妖精系」と言われる受験者(お花畑で子供たちと暮らしたい的な、浮き世離れした人)について言及すべきだと思いました。

 いろいろ批判してすみません。とても期待値が高かったことの裏返しと理解してください。繰り返しますが、採用試験受験を考えている人や免許取得に悩んでいる人には、絶対に役立つ本です。

|

« かつお節と日本人 | トップページ | 大学生のためのリサーチリテラシー入門 »

その他の書籍」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29188/58681081

この記事へのトラックバック一覧です: 教員採用のカラクリ:

« かつお節と日本人 | トップページ | 大学生のためのリサーチリテラシー入門 »