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2015年1月21日 (水)

「謎」の進学校麻布の教え

「「謎」の進学校 麻布の教え」神田 憲行:著 (集英社新書)

 中学校入試事情について、多少なりとも知識のある方なら、麻布の入試問題に「良問が多い」ということは、ご存じのことでしょう。それはある程度定まった評価のようです。
 ではなぜ良問が多いのか。そのあたりの疑問から本書は書かれています。麻布の先生にインタビューした内容は、なかなか興味深いものでした。

 この学校が特徴的なのは、そうした入試問題に代表される、教育内容だけではありません。学校行事や生徒の考え方、生徒指導の在り方まで、結構変わっています。
 その「変わりっぷり」は、本書の「はじめに」を読むだけでも十分伝わります。学芸会や運動会、卒業式までかなり変わっている様子が語られています。教室の状態や授業の様子も、まったく普通ではありません。

 この部分だけでも、「へえ」の連続ですが、それ以上に面白いのがインタビューでした。先生方へのインタビューに加えて、生徒へのインタビューがなかなか読ませます。もちろん、インタビューに応じてくれた生徒さんだけの記事だから、差し引いて考える必要はあると思いますが。

 ただ、最も気になったのは「教科書は使っていません」という記述。これ、まさか学校が許可した表現ではないと思いますが、まともに受け取れば、重大な法律違反です。こういう記述を平気でできてしまうあたりに、教育業界のライターとしては配慮が足りないなあと思いました。
 それから教室の後にゴミの山ができているという記述。こういうのは、心の問題につながってしまったりするんだよなあと思いながら、気になりました。

 とはいえ、そういうことに目くじら立てず、気楽に読むというのももちろんありでしょう。ちょっと新たな視点を獲得したい、そういう方にはおすすめの一冊です。

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