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2015年9月17日 (木)

総合教育技術2015年10月号

「総合教育技術 2015年 10 月号」(小学館)

 今回の特集は、「アクティブラーニングの焦点」と「いじめ自殺事件の教訓」の2本立てです。この特集も、雑誌の即時性を生かした、読み応えのあるものになっていますが、やはり白眉は冒頭のインタビューでしょう。

 登場しているのは、なんと小林よしのり氏。その人選のタイムリーさもさることながら、内容も彼のキャラクターを生かした教育論(いじめへの対峙法)になっています。冒頭部分を引用しましょう。

 道徳が教科になるという。いったい学校の先生は道徳という今日かをどう教えるのだろうか。道徳を言葉で教えられるか。わしは教師が道徳を態度で示すしかないだろうと考えている。

これだけならだれにでも書けることでしょう。しかし、このあと、小林さんが少年時代に経験した「態度で示す教師」の実例が、短いながらも迫力をもって語られています。これはかなりの説得力がありました。

 アクティブラーニングの特集は、各教科調査官にインタビューして構成されているので、その微妙な(明確な?)違いも散見されて、かなり興味深く読めます。ただ、冒頭の特別対談はいかがでしょうか。
 鈴木補佐官が「パッシブ・ラーナー(受動的学習者)」と対峙する意味で「アクティブ・ラーナー」といったことが、現在の「アクティブラーニングブーム」とも言うべきムーブメントにつながっていることは理解できました。しかし、メタ認知的な学習活動を導入したら、メタ認知能力は身につくのかという根本的な疑問に応えていないという点で、この対談には不満が残りました。

 いじめ事件からの教訓という第2特集も、多様なライターによって分厚い主張がなされていると感じました。とくに、堀裕嗣氏による「イジメには組織で対応する」という主張は、非常に現実的である上に正鵠を射たものでした。
 一方大学の先生や文部科学省の方の記事は、いじめの「防止」に主眼が置かれているという点で、あまり実際的ではないように感じます。事実上「防止」は、不可能なのですから、防止のための施策はいろいろ採るにせよ、発生したときの対策をきちんと立てるという視点がないのは、実に危険なことのように感じました。

 とはいえ、雑誌というメディアの特性から言って、さまざまな考えを並記するのは意味のあることです。特に今回の特集は、明確な答えがあるものではなく、読者がめいめい考えるべき内容でしょうから。
 そうした意味で、管理職の先生はもちろん、リーダー的な役割の先生には必読の一冊と言うことができるでしょう。

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