« 総合教育技術 2016年 05 月号 | トップページ | ヒトの本性 »

2016年4月22日 (金)

365日の集団づくり

「学級を最高のチームにする! 365日の集団づくり 5年」赤坂真二:編著/南惠介:著(明治図書)

 本書は、小学校の学級を成立させるために重要と言われる「学級づくり」について、年度当初から終わりまでを分解して解説した本です。どんな意図で、どんな手立てをいつ打つのか。1年間を丁寧に見通して解説した本は、これまでありそうで無かったのでは無いでしょうか。

 とはいえ、学級づくりは、子供たちと先生の相互作用によって行われますから、本で説明されてもなかなか実践するのは難しいことでしょう。そもそも、理解することもできないかもしれません。
 その点は著者もお見通しだったのでしょう。本書では、巧みな比喩を用いて、若い先生でも容易にイメージが持てるように書かれていました。

 まずうなったのが、「まえがき」にある、「里山学級論」です。学級は、特定の作物を栽培する「畑」ではなく、雑多な植物がバランスを取って自生する「里山」であるというのがその趣旨。これは実にうまい比喩では無いでしょうか。
 この前提に立って、子供たちの成長を「作物モデル」でとらえ、学級で子供が育つとはどういうことなのかということを時系列で説明しています。成長を植物でたとえることは、おそらくこれまでも少なくない方が、行ってきたことでしょう。しかし、冒頭に「里山モデル」が示されていることで、単一の植物を育てるわけでは無いという大きな捉えをしていることで、子供たち同士の関係性と、個々の成長という、ともすると入り組んだ説明になりがちなところをうまく整理しています。若い先生がお読みになっても混乱無く理解することができるのではないでしょうか。

 学級づくりは、これだけやればOKということがない取り組みです。本書は、5年生の担任向けとはなっていますが、それ以外の学年でも大いに参考になる内容がたくさんつまっています。若い先生の羅針盤とも言える本書。おすすめです。

|

« 総合教育技術 2016年 05 月号 | トップページ | ヒトの本性 »

教育書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29188/63463220

この記事へのトラックバック一覧です: 365日の集団づくり:

« 総合教育技術 2016年 05 月号 | トップページ | ヒトの本性 »