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2016年5月27日 (金)

トリセツ・カラダ

「トリセツ・カラダ カラダ地図を描こう」海堂 尊:著(宝島社)

 本書の説明書きによると、「『チーム・バチスタの栄光』などで有名なベストセラー作家が、現役医師の立場からカラダの“トリセツ(取扱説明書)”を作りました。」とあります。しかし、取扱説明書というよりは、体についてちょっと詳しく知る本といった方がよさそうな本です。挿絵は、「りんごかもしれない」などのとぼけた絵本で有名な、ヨシタケ シンスケさんが描いています。

 冒頭の序論に続いて、ちょっとしたワークシートが付いていて「心に浮かぶまま、内蔵の名前を書いてみよう」とあります。まったく同じ入力欄が2つあって、1つは「勉強前」に記入するところで、もう1つは「勉強後」に記入することになっています。体について自分が獲得した知識が可視化できるようになっています。
 もう一つのワークシートは、体の地図。まずは何も見ないで、体のどこに何があるかを描いてゆき、本書の一読後にもう一度記入するという構成になっています。内蔵の様子はリアルに書くと、ちょっとキモチワルイこともあってか、人の輪郭のイラストは、ヨシタケさんによって、かなりかわいく描かれています。

 本文は、体の取扱説明書というよりは、機能説明書。内臓や骨格、筋肉などについて、子供でも分かるように端的に説明されています。ただ、端的に書いているせいか、お世辞にも分かりやすいとは言えません。子供が自力で読むにはちょっと骨が折れることでしょう。興味も継続しないかもしれません。そこがちょっと残念でした。
 圧巻は、人が生きることと死ぬことについて解説した最終章。ここは「医学概論」と名付けられています。海堂さんの著作のほとんどには、死体の解剖についての問題提起がありますから、本書も例外なくこの点について述べられています。
 人の生き死にについて、哲学的な解説が施された本は、子ども向けでも少なくありませんが、本書のように医学的アプローチというのは、ちょっと珍しいかもしれません。それだけに、このところはかなり読ませました。

 海堂さんのファンならば、一度は目を通しておきたい一冊と言えるでしょう。

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