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2016年8月 3日 (水)

インクルーシブ教育ってどんな教育?

「インクルーシブ教育ってどんな教育?」青山新吾/赤坂真二/上條晴夫/川合紀宗/佐藤晋治/西川純/ほか:著(学事出版)

 「インクルーシブ教育」というのは、文科省の資料によれば「共生社会の形成を目的とした教育」ということのようです。「共生社会」とは、これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害者等が、積極的に参加・貢献していくことができる社会、とのこと。逆に言えば、今の世の中は、あまりインクルーシブではないということと言えそうです。

 そうした背景を受けて、本書では、教育の専門家である著者陣が、それぞれの立場からインクルーシブ教育について語っています。

 まず目を引くのが、編集代表である青山先生による「インクルーシブ発想とは?」という冒頭記事。とかく混同されがちな障害児教育との違いを分かりやすく説明しています。「インクルーシブ」という言葉が内包する矛盾についても言及しつつ、「つなぐ」「つながる」というキーワードで、インクルーシブ教育を端的に説明しているのが印象的でした。
 また赤坂先生による「インクルーシブ教育への違和感」という提言も目を引きました。理想だけを現場に押しつけているのではないか、というわけです。ではどうするか。赤坂先生は、ご自身の専門のひとつである、アドラー心理学の観点から具体的な提言をしており、なかなか読ませる内容になっていました。

今後学習指導要領がいかように変わろうとも、インクルーシブ教育の重要性が変わることはないでしょう。また変わらないようにもしていかなければなりません。
 「この本にこう書いてあったからこうやった」という考え方ではなく、こうした本をできるだけ批判的に読み、自分の知見にした上で、読者それぞれがご自身なりのインクルーシブについて考えることが大切なのでしょう。そんなことを考えさせられた一冊です。

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