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2016年9月18日 (日)

総合教育技術2016年10月号

「総合教育技術 2016年 10 月号」(小学館)

 毎度恐縮ですが、今回の総合教育技術は、本当に必読です。

 まず「総力大特集」と銘打たれた第1特集は、新しい学習指導要領がテーマ。特集タイトルが「社会に開かれた教育家庭をどう実現するか」となっていて、今回の学習指導要領の特徴を見事に一言で言い表しています。
 特集冒頭は、文科省の室長や大学の先生により、基本的な考え方が示されています。当然理屈っぽい話になるのですが、図版などが工夫され分かりやすくなるような配慮がありました。次に何かと話題の「カリキュラムマネジメント」に関しては、元教育長の先生と大学の先生による解説があり、理論面と実践面を押さえた話になっています。特に村川先生の話は、これまで文科省から出されてきた学力観の歴史との関係で説明されていました。これは、ぜひ押さえておきたいポイントです。
 そして特集の最後は実践。社会に開かれた学校を数年前から実践し効果を上げている学校の校長先生が、その成功のポイントを挙げていました。これは具体的な施策を考える上で参考になる記事と言えるでしょう。  新しい学習指導要領については、すでに各誌が扱っていますが、この記事がもっとも端的で分かりやすいのではないでしょうか。

 一方第2特集は「間違えないプログラミング教育」です。東北大の堀田龍也先生による連載、「間違えないICT授業」の拡大版とも言うべき特集で、堀田先生の冒頭の話に続き、すぐれたプログラミング環境である「ビスケット」を開発した原田さんの話、すでに「ロボティクス科」を実践している立命館小学校の事例、ヤマハ株式会社のボーカロイド開発チームの話+このソフトで授業している学校の事例が紹介されていました。特集最後には、私の駄文も掲載されています(笑)。

 それから見逃せないのが冒頭インタビュー。数学者の藤原正彦さんのお話が、抜群に面白いです。
 「国家の浮沈は小学校の国語にかかっている」というタイトル通り、教育の根幹は国語にあるというお話が展開されています。「一に国語、二に国語、三四がなくて五に算数」という言葉は、数学者である藤原さんが語ると、非常に説得力があります。
 そして日本の美についてのお話も興味深く読めます。「天才は美の存在する土地にしか生まれない」という言葉は、注目に値することでしょう。さらに「アクティブラーニングなど言語道断」という意見も間違いなく一理あります。
 日本社会は、どうしても「白か黒か」みたいな論調になりがちですし、教育界は一方に振れがちなところがあります。藤原さんのお話は暴論とお感じになる方も少なくないとは思いますが、今やアクティブラーニング一色になった教育書界において、こうした意見を掲載する雑誌のすばらしさを感じます。

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