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2016年11月30日 (水)

漢字の「読み方の新出」は何のため?

 小学校で学習する漢字は「教育漢字」といいます。現在は学習指導要領にて1006文字が定められ、学年ごとに習う漢字が決められています。しかし、これは学習する漢字を定めたものです。読み方の学習については、各教科書会社に任されています。それゆえ、以前は「下」という漢字をある教材で提出したら、「カ・ゲ・した・しも・くだる・さがる」など、すべての読みを学習したものとして扱う教科書が多くありました。

 しかし、私が勤務していた光村図書では、ずいぶん前から、新出漢字と、新しい読みの漢字を区別して教材末に示すように編集していました。このように手間の掛かる編集をなぜ行っていたのでしょうか。
 一つには、「漢字は学習機会が多いほど定着する」からです。教材末に何度も取り立てて示されれば、覚えるのも容易になります。また、同じ漢字に違う読みが設定されているのは、簡単に言えば使い方が異なるからです。違う用法に触れることで、さらに理解が深まります。
 もう一つは、「漢字の読み方は、語彙力の発達と共に学んだ方が定着する」からです。この考え方には少々説明が必要でしょう。
 たとえばさきほどの、「下」という漢字。小学校1年生に配当されているので、読みも簡単のように感じます。けれども「カ」という読み方をする場合は、「水面下・下等生物」など、語彙的に難しい用法となります。試しに「水面下」を漢字でどう書くか、小学校高学年の児童にきいてみてください。「面」以外は1年生の配当漢字の熟語ですから、当然全員が書けて良いはずですが、書けない子は少なくないのではないでしょうか。それゆえ「カ」という読み方は、3年生以上に設定されているはずです。
 教科書の「新しい読み方」というのは、たまたま新しい読み方が出てきたから扱うというわけではなく、かなり意図的に提出されているのです。「読み方が新しい漢字」が出てきたら、その意図を想像してみると教材研究が少し楽しくなるかもしれません。

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