« 論理的読み書きの理論と実践 | トップページ | 災害エスノグラフィー »

2016年12月17日 (土)

総合教育技術 2017年01月号

「総合教育技術 2017年 01 月号」(小学館)

 今月、まず目を引いたのは、巻頭インタビューです。リオデジャネイロ・パラリンピック柔道銀メダリストの、廣瀬誠選手。成長の過程で難病を患い、視力を失った廣瀬選手の言葉は、インクルーシブ教育を考える上で、また人生を考える上で示唆に富んだインタビューでした。これを読むだけでも本書を購入する価値があります。「障害は不便だが不幸ではないことを子供たちに伝えたい」という言葉が印象的でした。

 第1特集はインクルーシブ教育。「総力大特集」と銘打たれているだけあって、かなり充実の内容でした。
 冒頭は次期学習指導要領とインクルーシブ教育について論じた記事では、アクティブラーニングとインクルーシブ教育は、非常に親和性が高いといったことや、インクルーシブ教育は社会の必然として導入される、といったようなことが述べられていました。
 その上で国立特別支援教育総合研究所理事長の宍戸先生から、実践事例データベースをはじめとする、特別支援教育を進めるための仕組みについてのお話があり、大阪市立大空小学校の前の校長先生である、木村泰子先生からは、学校をインクルーシブにするとはどういうことか、といったことが述べられています。
 その他筑波大学附属小の、桂先生の記事などもあり、全体に実践寄りの特集となっています。指導計画をお考えになる先生方にとっては、かなり参考になるのではないでしょうか。

 第2特集は、「徹底分析 全国学力調査の10年」ということで、学力調査の成果と課題について分析しています。識者の声も掲載されており、学力調査についてポジティブな意見とネガティブな意見が並記されていて、ある意味読者に判断が委ねられるような構成になっていました。元文科相の役人である、寺脇さんがネガティブな意見を書いているのは注目です(笑)。

 それから第3特集は、年末らしく「教育10大ニュース」。教育界の今年を振り返っています。第10位から振り返っていく構成はなかなか楽しく読めました。第1位のニュースは、当然ながら納得のランキングだと思います。

 この他、コラムも変わらず充実しています。多賀先生のコラムでは、教師教育におけるベテランの役割が非常に重要だと書きつつ、ベテランも謙虚に学ばなければならないと指摘しています。ベテランが若手を壊すこともあるということを、学校リーダーたちに提言しています。
 堀田先生のコラムでは、整備の方向や考え方について解説がなされています。政治に振り回されず、うまくつきあう方法についての言及もありました。こういう提言は他にないのではないでしょうか。具体的で参考になる記事です。

|

« 論理的読み書きの理論と実践 | トップページ | 災害エスノグラフィー »

雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29188/64634611

この記事へのトラックバック一覧です: 総合教育技術 2017年01月号:

« 論理的読み書きの理論と実践 | トップページ | 災害エスノグラフィー »