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2017年6月21日 (水)

実践教育法規2017

「実践教育法規2017 総合教育技術2017年07月号増刊」(小学館)

 毎年発行されているこの増刊、今回はいつものすぐれた内容に加えて、非常に熱い「巻頭言」が印象的でした。

 本書は雑誌の増刊号ですから、ほんとうは「巻頭言」は存在しません。それでも冒頭の章は「最新情報」として位置づけられ「学習指導要領と学力調査を使いこなそう」というタイトルで、見開きの短い文章が掲載されています。
 この文章は短いですが熱いです。学習指導要領については、文言の意味が取りにくいことを指摘し、学力調査については、結果が目的になりかねない構造的な問題を含んでいると指摘しています。
 このように書くと、否定的な文章であるように感じるかもしれませんが、そうではありません。そうした懸念点を抱えつつ、現場において、学校リーダーや管理職はどう考えればよいのかという視点を示しています。これはなかなか読み応えのある文章でした。

 この熱い文章に続いて、「特別企画」では、教育界の時事ネタとも言える話題が語られています。いずれも見開き2ページですから、深く掘り下げるということは不可能ですが、問題の所在をオーバービューすることは可能です。気になった内容は次の通り。

  • いじめ自殺を防ぐ
  • 虐待児をどう救うか
  • 不登校の現実と対応
  • 合理的配慮はなされているか
  • 部活動を見直す
  • 大量退職・大量採用の中での教員の資質・能力向上策
  • 新教育委員会は機能しているか

 さらに「現場で役立つ重要テーマ45」では、主に制度面管理面から見た学校という視点でまとめられています。こちらは、学校リーダーや管理職の方にはもちろん、教材や教育システムを開発・販売している企業の方も目を通しておくとよいかと存じます。

 日本の学校システムは、良くも悪くも強固にできています。今後は時代や社会に合わせて変更していくことが求められる中、現在どのようにできているのかを正確に知ることは非常に大切です。しかし、そのために適切な本というのはあまり存在しません。
 本書は、その目的に合致する数少ない一冊であると言えそうです。

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