« 5つの学習習慣 | トップページ | なぜヒトは学ぶのか »

2019年3月 7日 (木)

やましたくんはしゃべらない

「こんな子きらいかな? (3)  やましたくんはしゃべらない」山下賢二:著/中田いくみ:絵(岩崎書店)

 こんなタイトルの本ですし、難しそうな男の子のイラストが表紙ですから、本書を見つけたときは、てっきり場面緘黙などの理由で話せない子のお話だと思っていました。しかし、実際には「話せない」のではなく「話さない」子のお話です。帯には、著者の山下さんのものと思われる手書き文字で「しゃべってたまるか」と書いてありました。

 山下君は、家ではふつうに話すものの、学校では絶対に話をしない子。なぜ話さないのか、その原因や経緯は一切書いてありません。とにかく話さない。
 そうは言っても、この絵本の最後には、きっと話すんじゃないかなと思って読み進めると、ちょっと意外な結末が待っています。それはぜひ本書をお読みください。

 とはいえ、なぜ話さないのかのはともかくとして、話さない間の出来事や、山下君の内言は、一切描かれていないので、なかなか「山下君」に感情移入することができません。ですから、ちょっと意外な結末も、「ふ~ん」という感想しか持てませんでした。
 ちょっと突き放された気がしていたとき、テレビ朝日系の番組「激レアさんを連れてきた」で、著者の山下さんが出演しているのを見ました。番組で山下さんは、話さなくなった経緯や途中のエピソードを面白おかしく語っていました。テレビの演出もあるのでしょうけれど、実に興味深いものばかり……。なぜこれを絵本になぜ反映しなかったのでしょうか。不思議に思います。

 それはもしかすると、本書のシリーズにあるのかもしれません。本書のタイトルは「こんな子きらいかな? (3) 」となっている通り、ちょっと変な子のシリーズの1つなのです。ただ、いくらシリーズの1つといっても、せっかく「小学校の間中一切話さない子」という面白いキャラクターなのに、その内面を描かないことには、読者の感動は呼ばないのではないかなと感じました。

|

« 5つの学習習慣 | トップページ | なぜヒトは学ぶのか »

児童書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: やましたくんはしゃべらない:

« 5つの学習習慣 | トップページ | なぜヒトは学ぶのか »