教育書

2020年1月20日 (月)

大学の問題 問題の大学


大学の問題 問題の大学」竹内洋・佐藤優:著(時事通信社)

 昨今、大学の問題は、入試改革の文脈で語られる傾向が多いです。しかし、大学でなぜ学び、何を学ぶのか、といったような本質的な議論は、あまり語られていないような気がします。
 本書は、そうした大学の問題にとどまらず、教育全般の問題、ひいては日本全体の問題について、大学教育に精通した碩学の二人が語り合った本です。

 

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2019年12月23日 (月)

ことばの教育を問いなおす


ことばの教育を問いなおす ──国語・英語の現在と未来 (ちくま新書)」鳥飼玖美子・苅谷夏子・苅谷剛彦:著(ちくま新書)

 本書は「ことば」を的確に獲得するための道筋を、各界の専門家が「対書」にて明らかにしようとした本です。
 「対書」というのは「対話」のような形式をとりながら、文章をやりとりすること。著者の鳥飼氏は英語教育の専門家、苅谷夏子氏は大村はまの実践の研究家、苅谷剛彦氏は教育社会学の専門家。それぞれの専門に基づく知見がやりとりされる中で、互いにインスパイアされ「ことばを獲得するとはどういうことか」ということが、深まっていきます。それゆえ、昨今の新書では珍しい、252ページという、なかなかの文章量であるにも関わらず、最後まで興味深く読み進めることができます。

 

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2019年12月 9日 (月)

暴走する能力主義

暴走する能力主義」中村高康:著(ちくま新書)

 教育改革が叫ばれるたびに話題になるのが「○○力」と呼ばれる「学力」。何らかの名詞に「力」を付けただけの「○○力」という言葉。これを使われると、なんとなく納得してしまいます。そういう力があるような気になるのです。
 本書は、そうした現象について社会学的な立場から批判的にとらえ、読み解いています。まずは目次をご紹介しましょう。

  • 第1章 現代は「新しい能力」が求められる時代か?
  • 第2章 能力を測る ――未完のプロジェクト
  • 第3章 能力は社会が定義する ――能力の社会学再考
  • 第4章 能力は問われ続ける ――メリトクラシーの再帰性
  • 第5章 能力をめぐる社会の変容
  • 第6章 結論:現代の能力論と向き合うために

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2019年11月18日 (月)

「グローバル人材育成」の英語教育を問う


「グローバル人材育成」の英語教育を問う (ひつじ英語教育ブックレット)」斎藤兆史,鳥飼玖美子,大津由紀雄,江利川春雄,野村昌司ほか著(ひつじ書房)

 昨今、学校教育における英語教育に関して、メディアで報道されることが増えてきました。
 「小学校における英語教育の教科化」「中学校・高校の英語授業の英語化」「大学入試英語への民間英語検定の導入」などなど。これらはすべて、2013年12月に文部科学省から発表された「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」という旗印の下で進められてきた教育政策です。

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2019年9月 2日 (月)

「けテぶれ」宿題革命!

「けテぶれ」宿題革命! 子どもが自立した学習者に変わる!」葛原祥太:著(学陽書房)

 本書は、いわばビジネス書のような構成の教育書です。しかも、一見ノウハウ伝授のような説明手法を採りながら、実は考え方を示しています。
 どのあたりがビジネス書のようなのか。それはまず、タイトルにある「けテぶれ」です。これはビジネス界で言うところの、PDCAサイクルと言ってもよいでしょう。それぞれ、次のような意味です。

  • 「け」計画
  • 「テ」テスト
  • 「ぶ」分析
  • 「れ」練習

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2019年7月 1日 (月)

学校現場で今すぐできる「働き方改革」

 今はどこもかしこも「働き方改革」が真っ盛りです。関連書籍も多数出版されています。

 本書はサブタイトルに「目からウロコのICT活用術」とあることから、ICTが得意でない方は「私には関係ないな」とお感じになるかも知れません。

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2019年6月30日 (日)

実践教育法規2019

「実践教育法規2019 総合教育技術 増刊」(小学館)

 本書は毎年出されている、総合教育技術の増刊号です。書名の通り、教育法規全般をオーバービューしながら、時事的な話題も取り入れ、それぞれ実践的な解説を試みています。
 編集面で優れているのは、本書で取り上げられているすべての項目が見開き2ページで構成されていることです。しかも、ほとんどの解説には図版が設定されています。印刷も2色なので、ポイントが見つけやすい構成です。
 基本的には、学校リーダー向けの本だと思いますが、教員採用試験を目指す方にとっても役立つ内容があります。

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2019年5月 1日 (水)

なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか! ?

「なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか! ?」日野田直彦:著(IBCパブリッシング)

 本書は、36歳の若さで大阪府立箕面高等学校に、民間人校長として着任した著者による、学校改革のあゆみ(4年間)をまとめた本です。改革した本人による執筆というのは、ビジネス書の世界ではかなり一般的ではあるものの、教育界では珍しいのではないでしょうか。
 ではなぜ珍しいのでしょうか。
 まず、公立学校の場合、先生方は公務員ですから守秘義務があり、それゆえ書けないということがあるでしょう。実際日野田さんも、本書は、箕面高校を退職後に出版されています。
 次に、教育界によくある「それは、そちらの学校だから(●●先生だから)できたんですよ」という考え方の存在です。こうした意見は、研究発表会などでもよく聞かれます。他者の貴重な経験や知見を、その場特有の特殊事情がそうさせているのだと考えてしまうのです。

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2019年4月12日 (金)

まんがで知る未来への学び

「まんがで知る未来への学び――これからの社会をつくる学習者たち」前田康裕:著(さくら社)

 教職ネットマガジンでもたびたびご紹介して参りました「まんがで知る教師の学び」シリーズ。学校教育のこれまでとこれからについて、かなり重要な提言をなさってきました。
 今回の本では「教育」の範囲をさらに広げています。
それが、サブタイトルの「これからの社会をつくる学習者たち」ということの意味です。

 

 

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2019年3月11日 (月)

なぜヒトは学ぶのか

「なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える」安藤寿康:著(講談社現代新書)

 本書は、「学ぶ」という行為について、生物学的・遺伝学的・文化人類学的視点から考えた本です。とはいえ、著者の安藤さんは生物学者ではありません。教育心理学などを専門とする、教育畑の人。要するに、「教え・学ぶ」ということについて、生物学的・遺伝学的・文化人類学的視点から捉え直したといってもよいかもしれません。
 本書の帯(裏表紙側)には次のように書いてあります。

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