エッセイ

2019年6月24日 (月)

虫ぎらいはなおるかな?

虫ぎらいはなおるかな? (世界をカエル)」金井真紀:著/イラスト(理論社)

 タイトルを見たときは、てっきり「昆虫が大好きな著者による、昆虫好きになるための本」だと思いました。加えて「はじめに」の冒頭は、人間の虫に対する態度の悪さが綴られています。
 しかし、読み進めると次のように書いてありました。

 

偉そうに語ってきたが、わたしは虫が大の苦手だ。アリんこがスニーカーを這い上がってきただけで
「きゃっ」
と声が出る。

つまり、著者の金井さんも虫が苦手。苦手なのに、様々な分野で活躍されている7人の虫好きを訪ね、それぞれの「好き」の中身に迫っています。

 

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2019年5月13日 (月)

段ボールはたからもの

「段ボールはたからもの 偶然のアップサイクル」島津冬樹:著(柏書房)

 誰にでも好きなものはあります。ただ、その好きの度合いは、人それぞれ。「好きで、好きで仕方がない」と言えるほど好きなものとなると、そうそう誰にでもあるものではありません。

 

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2018年11月19日 (月)

ぼくが子どものころ、ほしかった親になる

「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる」幡野広志:著(PHP)

 著者の幡野さんは、写真家です。34歳の時に「余命3年」というガン宣告を受けたことをきっかけに、Webで情報発信を始めました。本書は、それをまとめたもの。
 それはどんな情報発信だったのか。「はじめに」には、こう書いてありました。

人には言葉というのが必要で、僕は今懸命に、それを残そうとしている。
この本は、こうした思いの延長でできあがっている。
ウェブという「モノのかたちをしていない言葉」と同じくらい強い、本という「モノのかたちをした言葉」をつくりたいという願いで書いている。

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2018年9月27日 (木)

ひねもすのたり日記

「ひねもすのたり日記 第1集」ちばてつや:著 (ビッグコミックススペシャル)

 本書は、2016年から2017年にかけて、ビックコミックにて連載された、ちばてつやさんのコミックエッセイをまとめた本です。本の帯には「ちばてつや、何と18年ぶりの新作単行本」と書いてあります。
 本書はまず、冒頭がユニークです。網膜の状態が悪く、一線を引いたはずの、ちばさんが、なぜふたたび筆を執ったのか、ギャグ漫画っぽく描かれています。ちばさんは、こういう表現をあまりしない印象があるので、ちょっと意外でした。

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2018年1月15日 (月)

十歳のきみへ

「十歳のきみへ――九十五歳のわたしから」日野原重明:著(冨山房インターナショナル)

 著者の日野原さんは、2017年7月に惜しまれつつお亡くなりになりました。本書は、日野原さんが95歳になる年に書かれたエッセイで、2006年に刊行されています。本書の一部は、東京書籍の小学校国語教科書にも収録されているそうです。2017年7月には、72刷となっていますので、本書の人気ぶりがわかります。
 ではなぜ、十歳なのでしょうか。その答えは、本書の「はじめに」の前に位置づけられている、日野原さんの自伝的な詩にありました。5ページにわたって綴られているこの詩の一部(冒頭と最後の部分)をご紹介しましょう。

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2017年9月 4日 (月)

ヒロのちつじょ

「ヒロのちつじょ」佐藤美紗代:著(太郎次郎社エディタス)

 本書の帯には、次のような紹介文が書いてあります。

彼には、ちょっと変わった癖やこだわりがある。そこには彼の世界がつまっている。その無数のこだわりのなかに、ヒロの「秩序」があるのだ。ダウン症の兄・ヒロの日常を大学生の妹が淡々と描きだす。距離をつめない愛がこぼれる観察的イラストエッセイ。

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2017年7月24日 (月)

どうぶつ友情辞典

「あべ弘士 どうぶつ友情辞典」あべ弘士:著(クレヨンハウス)

 著者のあべさんは、元旭山動物園の飼育員さんだった絵本作家です。そんな絵が得意なあべさんなのに、本書のタイトルは「辞典」となっています。「辞典」とは言葉の意味を書いた本のことです。けれども実際には、「動物エッセイ」と言った方が良さそうな本でした。
 ただ、単なるエッセイと異なるのは、動物への愛が溢れており、しかも多様な愛の形が示されていることです。あべさんは、本書について「序」にて、次のように書いていました。

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2016年8月 9日 (火)

ウェブでメシを食うということ

「ウェブでメシを食うということ」中川淳一郎:著(毎日新聞出版)

 本書の紹介文には「“ネット業界20年の内側"を初めて描く。ネット評論の第一人者が現場目線で綴った痛快エッセイ!」とありました。中川さんは『ウェブはバカと暇人のもの』という本を書いた人。このブログでも紹介しました。
 その本にも、中川さんがネットの世界でプロとしてやっていくようになった経緯が簡単に描かれていましたが、本書はそれをかなり詳しく書いています。

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2016年6月 8日 (水)

母親やめてもいいですか

「娘が発達障害と診断されて… 母親やめてもいいですか」山口かこ:著/にしかわ たく:絵(文春文庫)

 初めて母親になるのは、誰しも不安なものです。ましてや不妊治療の末、苦労して授かったお子さんで、なおかつお子さんの発達が「他の子と違う」という場合であれば、その不安はさらに大きかった事でしょう。
 本書は、そうした書き出しで始まる、著者の体験に基づく子育てエッセイです。そして通常のエッセイと違うのは、基本的に漫画で表現されているということと、章と章の間に、児童精神科医として有名な杉山登志郎先生の解説が付いていることです。

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2016年4月 4日 (月)

数学を志す人に

「岡潔 数学を志す人に」岡潔:著(平凡社)

 本書は平凡社の「STANDARD BOOKS」というシリーズの中の1冊です。これは百科事典で有名な平凡社が、科学と文学双方を横断する知性を持つ科学者・作家の随筆を集めて再録したとのこと。

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